日→イ JAPANESIA
平地を bumi datar と訳すと、
「地球平面説」の話になる。
今夏のサッカー・ワールドカップで会場の1つになった、標高約2200メートルのメキシコ市。空気が「薄い」高地では、選手の体にも、ボールの飛び方にも、平地とは違うことが起きます。それを解説した記事を、インドネシア語に訳す練習です。
訳例(添削前)は40点。話の骨格(高地 → 酸素 → 体の反応 → ボール → 公平性)はつかめています。ただ、平地を bumi datar(地球平面説)、陸上を darat(陸地)、南米を Amerika Serikat bagian selatan(米国の南部)と訳すなど、漢字語を字面で訳した誤りと、主語と述語がそろわない文で大きく失点しました。
高地の体のしくみやサッカーの事情を知らなくても読めるよう、背景をゼロから解説し、訳例の赤ペン73か所をまとめて見てから、1文ずつ直していきます。
背景をゼロから(高地・順化・FIFA)
赤ペンをまとめて見る
1文ずつ添削
模範訳(全文)
図解14点
今日のねらい:日→イの解説記事で点が削られる3つの場所
①漢字語の定訳——陸上=atletik、南米=Amerika Selatan、平地=dataran rendah、空気抵抗=hambatan udara、順化=aklimatisasi、骨髄=sumsum tulang。漢字を1字ずつ置き換えると、別の意味の語になります。
②主語と述語——文頭の Untuk・Dalam で主語を消さない。述語のない名詞のかたまりで終わらせない。主語と述語の間にコンマを打たない。1文ごとに「何が・どうする」を確かめます。
③小さな語と接辞——itu sendiri(そのもの)、sekitar(約)、lagi(さらに)、pula・pun(も・でも)、hanya(のみ)、terpaksa(追い込まれる)。受け身の di- と、他動詞の me-kan の向き(dihirup・diberi・meningkatkan)。
BACKGROUND背景を、ゼロから
訳す前に、5つの問いを押さえておくと、使う語が自然に決まります。
数字で見る、高地のサッカー
記事に出てくる数字と、その意味です。
メキシコ市の標高約2200m会場のアステカは約2240m。富士山の吉田口五合目(約2300m)に近い高さ
1回の呼吸で取り込む酸素約4分の1減気圧が海面の約76%に下がるため(標準大気で計算した目安)
体が慣れるまで数週間赤血球が増えるには時間がかかる。専門家は少なくとも2週間をすすめる(AP通信)
ビーモンの記録(1968年)8m90それまでの世界記録を一気に55cm更新。1991年まで破られなかった
図1:記事の数字は、どれも「空気の量が減る」ことにつながっています。約2200mは第1文、4分の1は第3文、数週間は第6文、ビーモンは第10文の話です。
Q12026年のW杯で、なぜメキシコ市が問題になったの?
2026年のサッカー・ワールドカップ(W杯)は、6月11日から7月19日まで、米国・カナダ・メキシコの3か国で開かれました。出場チームが48に増えた初めての大会です。日本では「北中米大会」と呼ばれますが、共催の3か国は、どれも北米(Amerika Utara)の国です(図10)。
開幕戦の舞台は、メキシコ市のエスタディオ・アステカ。メキシコ市は標高約2200メートルの高原にある首都で、スタジアムは約2240メートルの高さにあります。富士山の吉田口五合目(約2300メートル)に近い高さです。
大会の前から、監督たちの不満が相次ぎました。6月24日にメキシコ市でメキシコと戦ったチェコのコウベク監督は「慣れるには1か月が必要だが、その時間はない」。7月5日のラウンド16で、メキシコ市でメキシコと戦うことになったイングランドのトゥヘル監督は「勧められるのは、10日前に入るか、直前に入るか。10日前は私たちには長すぎるし、直前は認められていない」と述べ、メキシコにとって「大きな利点だ」と不満を口にしました。
大会中のチームは、それぞれの拠点(ベースキャンプ)から、試合ごとに会場の都市へ移動します。記事の第6文の「現地入り」は、この会場の都市に入ること。開催国に入ることではありません。
Q2空気が「薄い」って、どういうこと?——酸素の割合は同じ
空気の中の酸素の割合は、海辺でも高い山でも約21%で、ほとんど変わりません。変わるのは、空気そのものの量です。上に行くほど、上にのしかかる空気が少なくなるので、気圧が下がり、同じ体積の中の空気が少なくなります。これが「空気が薄い」状態です。
標準的な大気で計算すると、標高2240メートルの気圧は海面の約76%。1回の呼吸で肺に取り込める酸素の量も、平地より4分の1ほど少なくなります(図2)。記事の第3文は、このことを言っています。「割合は変わらない、でも量は減る」——訳では、割合を proporsi、量を jumlah と訳し分けることが大切です。
インドネシア語では、高地は dataran tinggi、平地は dataran rendah。datar(平らな)から来た dataran は「平らな土地」のことで、高地は「高いところにある平らな土地」=高原、と考えると覚えやすくなります。
標高と空気の量——割合は同じ、量が減る
海面を100としたときの気圧です(標準大気で計算した目安)。
気圧(海面=100)
海面(平地)標高0m・dataran rendah
100%
メキシコ市(アステカ)標高2,240m・今大会の会場
76%
FIFA が2007年5月に引いた線標高2,500m・これを超える会場での国際試合を禁止
74%
同年6月に緩めた線標高3,000m・3000m に引き上げ
69%
ラパス(ボリビア)標高3,600m・代表の本拠の競技場
64%
酸素の割合(proporsi oksigen)は、海辺でも高地でも約21%で変わりません。変わるのは空気そのものの量(気圧=tekanan udara)。1回の呼吸で取り込める酸素の量も、ほぼこの割合で減ります。
図2:メキシコ市の約76%が、第3文の「4分の1ほど少ない」にあたります。訳例の komposisi(組成)や kadar(濃度)では、変わらないほうの「割合」を指してしまいます。
Q3体は、どうやって薄い空気に慣れる?——順化と EPO
酸素が足りなくなると、体はまず呼吸を速く深くし、心拍数を上げて、少ない酸素を全身に送ろうとします(第4文)。米疾病対策センター(CDC)によると、この最初の段階の慣れには3〜5日かかります。
それでも足りない分を補うのが、エリスロポエチン(EPO)というホルモンです。血液の酸素が少ないと感じた腎臓が EPO を多く出し、それを受けた骨髄が、酸素を運ぶヘモグロビンを含んだ赤血球を増やします(第5文、図3)。赤血球が増えるには時間がかかり、AP通信が伝えた専門家の話では、高地で2〜3週間過ごすことで赤血球が増えるとされます。これが記事の「順化には数週間かかる」です。
さらに高い場所では、頭痛や吐き気を伴う高山病のおそれが出てきます(第7文)。CDC は、順化していない人が標高2450メートル以上で寝泊まりすると、高山病のおそれがあるとしています。メキシコ市は、その少し下にあたります。
EPO は、スポーツの世界ではドーピングの薬としても知られます。人工の EPO を使えば、高地に行かなくても赤血球を増やせるからで、世界反ドーピング機関(WADA、インドネシア語では Badan Antidoping Dunia)が使用を禁じています。インドネシアでは2021年10月7日、WADA が国内の反ドーピング機関(LADI)を「規程を守っていない」と認定しました。10日後の10月17日、デンマークでバドミントンのトマス杯を19年ぶりに制したときも、表彰式で国旗を掲げられませんでした。制裁は2022年2月に解かれています。
体が薄い空気に慣れるまで——第4〜7文の流れ
すぐに起きる反応と、時間のかかる反応があります。記事の「補いきれない分は」は、2番目から先のことです。
1呼吸と心拍が上がる(すぐ)息を速く深くし、心臓が多くの血を送り出して、少ない酸素を全身に届けようとする。frekuensi napas・denyut jantung(第4文)
2腎臓が EPO を出す血液の酸素が少ないと感じた腎臓が、エリスロポエチン(EPO)というホルモンを多く分泌する。ginjal・eritropoietin・disekresikan(第5文)
3骨髄が赤血球を増やす(数週間)EPO を受けた骨髄が、酸素を運ぶヘモグロビンを含む赤血球を増やす。sumsum tulang・memperbanyak sel darah merah(第5文)
4順化——体が高地に慣れる専門家は、少なくとも2週間をすすめる。日程の詰まった大会では、この時間が取れない。aklimatisasi(第6文)
5さらに高い場所では、高山病のおそれ頭痛や吐き気などを伴う。米疾病対策センター(CDC)は、順化していない人が標高2450m以上で寝泊まりすると、高山病のおそれがあるとする。penyakit ketinggian・sakit kepala・mual(第7文)
図3:第5文の「補いきれない分は」は、1番目(呼吸と心拍)で補いきれない不足のこと。訳例は、この不足を oksigen(酸素)と取り違えていました。
Q4ボールの飛び方は、どう変わる?——空気抵抗とビーモンの跳躍
空気が薄いと、ボールが進むときに受ける空気の抵抗(空気抵抗=hambatan udara)が小さくなります。シュートやロングパスはスピードが落ちにくく、平地より速く、遠くまで飛びます。一方、回転をかけたボールが曲がるのは、ボールの周りの空気の流れが片寄って生まれる力(マグヌス効果)のためで、空気が薄いとこの力も弱まり、曲がりにくくなります(第9文、図4)。
陸上の跳躍では、空気抵抗が小さいことが有利に働きます。1968年10月18日、メキシコ市で開かれたオリンピックの走り幅跳びで、米国のボブ・ビーモンが8メートル90を跳び、それまでの世界記録を一気に55センチ更新しました。記録は1991年に破られるまで、23年近く残りました(図5)。
空気が薄いと、ボールはどう変わる?——第9文
どちらも、空気がボールに及ぼす力が小さくなるために起きます。蹴る側にも、守るゴールキーパーにも、いつもと違うボールです。
速く、遠くへ飛ぶbola melaju lebih cepat dan lebih jauh空気が薄いと、ボールが空気から受ける抵抗(空気抵抗)が小さくなります。シュートもロングパスも、スピードが落ちにくく、平地より伸びます。空気抵抗=hambatan udara(訳例は tekanan udara=気圧)
回転をかけても、曲がりにくいsulit melengkung meskipun diberi putaran回転をかけたボールが曲がるのは、ボールの周りの空気の流れが片寄って生まれる力(マグヌス効果)のため。空気が薄いと、この力も弱まります。ボールは回転を「かけられる」側=diberi putaran
図4:「空気抵抗」と「気圧」は、どちらも空気の話ですが、別のものです。訳例は第9文で、空気抵抗を tekanan udara(気圧)と訳していました。
「一気に塗り替えた」——走り幅跳びの世界記録
8メートルから先の長さを棒にしています。
走り幅跳びの世界記録(8m から先)
ビーモン1968年10月18日・メキシコ五輪
8m90
それまでの世界記録の伸びは、1回あたり平均6cmほど。ビーモンは1回で55cm伸ばしました。1991年、東京の世界選手権でパウエルが破るまで、記録は23年近く残りました。いまも五輪の記録です。
図5:第10文の「一気に塗り替えた」は、この55cmの差のことです。sekaligus(同時に)ではなく、dengan selisih yang sangat jauh(非常に大きな差で)と訳します。
Q5高地での試合は「不公平」?——FIFA の規制と、今大会
高地を本拠とする国にとって、薄い空気は「地の利」です。ボリビアの首都ラパスの競技場は標高約3600メートル。慣れていない相手は、走るだけで息が切れます。
2007年5月、国際サッカー連盟(FIFA)は、選手の健康と条件の不公平を理由に、標高2500メートルを超える会場での国際試合を禁じました。ボリビアのモラレス大統領は「サッカーのアパルトヘイトだ」と猛反発し、エクアドルやコロンビアも影響を受けました。FIFA は翌月、基準を3000メートルに緩めましたが反発はやまず、2008年5月、南米サッカー連盟(CONMEBOL)の抗議を受けて、規制を止めました(図6)。記事の第12文の「禁止はほどなく撤回に追い込まれた」は、この経緯です。
今大会、FIFA は選手の健康を守るため、天候にかかわらず全試合で、前半・後半の22分に3分間の給水タイムを設けました。暑さへの備えとしても注目された仕組みです。一方、高地への対応は各チームに任され、チェコやイングランドの監督の不満につながりました。何をもって公平とするのか——記事の最後の問いには、まだ答えが出ていません。
年表——高地での試合は「不公平」か
濃い丸が、記事の第1・6・12文にかかわる動きです。
2007年5月FIFA、標高2500m超での国際試合を禁止選手の健康と、条件の不公平を理由に(FIFA 理事会)。
2007年6月基準を3000mに緩めるラパス(約3600m)は対象のまま。ボリビアなどの反発は続いた。
2008年3月マラドーナ氏が、ラパスで抗議の試合ボリビアのモラレス大統領は、規制を「サッカーのアパルトヘイト」と批判。
2008年5月FIFA、規制を停止南米サッカー連盟(CONMEBOL)の正式な抗議を受けて。抗議は、ブラジルを除く加盟協会すべてが支持した。
2025年12月FIFA、2026年大会の給水タイムを発表天候にかかわらず全試合で、前半・後半とも22分に審判が試合を止め、3分間の給水。
2026年6月大会開幕。チェコの監督「順化には1か月要るが、時間がない」6月24日のメキシコ市でのメキシコ戦を前に。高地への対応は各チームに任された。
2026年7月イングランドのトゥヘル監督「メキシコに大きな利点」7月5日、メキシコ市でのメキシコとのラウンド16を前に。「10日前に入るのは長すぎ、直前に入るのは認められていない」。
図6:第12文の「禁止」と「撤回」の関係を、年表で確かめておくと、pembatalan(取り消し)と larangan(禁止)を取り違えずに済みます。
STEP 1原文を読んで、インドネシア語に訳す
目安は40分(辞書なし)。見出しも訳します。番号は、あとの添削と対応しています。
Terjemahkan artikel berikut ke dalam bahasa Indonesia.
「薄い空気」との闘い――高地が選手とボールに及ぼすもの
1今夏のサッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会では、標高約2200メートルのメキシコ市が会場の一つとなり、各国の監督から不満が漏れた。2標高が上がるにつれて気圧は下がり、空気そのものが薄くなる。3酸素の割合が変わるわけではないが、一回の呼吸で取り込める酸素の量は平地より4分の1ほど少ないとされる。
4低酸素状態に置かれた体は、心拍数や呼吸数を上げて不足を補おうとする。5それでも補いきれない分は、腎臓から分泌されるエリスロポエチンというホルモンが骨髄に働きかけ、ヘモグロビンを含む赤血球を増やすことで埋め合わせる。6もっとも、こうした順化には数週間かかるとされ、日程の詰まった大会では、現地入りを直前まで遅らせざるを得ないチームもあった。7標高がさらに高ければ、頭痛や吐き気を伴う高山病のおそれも出てくる。
8影響は人体のみならず、ボールの動きにも及ぶ。9空気抵抗が小さいため、ボールは平地より速く遠くへ飛ぶ一方、回転をかけても曲がりにくい。10陸上の跳躍ではこれが有利に働き、1968年のメキシコ五輪では、走り幅跳びのボブ・ビーモンが世界記録を一気に塗り替えた。
11高地を本拠とする国にとっては、この環境そのものが地の利となる。12かつて国際サッカー連盟(FIFA)が一定の標高を超える会場での国際試合を禁じた際は、ボリビアなど南米諸国が猛反発し、禁止はほどなく撤回に追い込まれた。13猛暑を見据えて給水タイムを設けた今大会でも、高地への対応は各チームに委ねられた。14何をもって公平な条件とするのか、答えが出ているわけではない。
Disadur dari berbagai sumber
STEP 2訳例に、赤ペンをまとめて入れる
この記事を訳した例に、赤ペンをまとめて入れました。目安は40点/100。semakin … semakin(〜につれて)、Bukan berarti …, tetapi(〜わけではないが)、terpaksa(ざるを得ない)などは正しく使えています。崩れたのは、漢字語の字面訳、主語と述語、小さな語と接辞です。まずは全体を眺めて、どんな間違いが多いかを見てください。
波線=直すところ∧=訳が抜けているところ①=下の一覧の番号(文ごと)
訳例(添削前)
Berjuan① dengan② “Udara Tipis”∧③ Pengaruh Daratan④ Tinggi pada Atlet dan Bola.⑤
1∧①Piala Dunia Kompetisi② Amerika Tengah dan Utara③ pada musim panas∧④, kota⑤ Meksiko yang berada di ketinggian ∧⑥2,200⑦ meter menjadi salah satu lokasi pertandingan membuat⑧ pelatih dari berbagai negara mengeluh. 2Semakin tinggi ketinggian①, tekanan udaranya semakin menrurun② sehingga udara sendiri③ semakin menipis. 3Bukan berarti komposisi oksigen① berubah, tetapi kadar② oksigen yang dapat hirup③ dengan satu napas ∧④berkurang ∧⑤seperempat daripada kadarnya di bumi datar⑥.
4Tubuh yang berada dalam kondisi rendahnya oksigen berusaha menambah kurangnya oksigen① dengan meningkatnya② nadi③ dan jumlah napas④. 5Untuk① oksigen② yang belum③ ditambal④ dengan cara ini, hormon bernama Erisllopotien⑤ yang dikeluarkan dari⑥ ginjal memicu sumsum⑦ menambahkan⑧ sel darah merah yang mengandung hemoglobin. 6Kendati demikian, untuk① adaptasi② seperti ini disebut membutuhkan beberapa minggu, dan ∧③kompetisi yang jadwalnya padat ada tim yang terpaksa mengulurkan④ jadwal masuk negara tuan rumah⑤∧⑥. 7Jika ketinggiannya lebih tinggi∧①, kemungkinan orang yang terkena② penyakit gunung tinggi③ beserta④ sakit kepala dan muntahan⑤.
8Dampaknya bukan① pada tubuh tetapi juga∧② gerakan bola. 9Karena tekanan① udaranya kecil, bola melompat② lebih cepat dan jauh daripada tempat biasa③, sementara meskipun memberi④ putaran, bolanya tidak mudah memberok⑤,⑥ 10Dalam cabang Lompatan darat①∧② memberi keuntungan di Olimpiade Meksiko pada 1968③, Bob Bemon④ dari cabang lompatan lari⑤ memecahkan rekor dunia sekaligus⑥.
11Bagi tuang rumah① yang memiliki kandang di daratan② tinggi, lingkungan sendiri③ menjadi keuntungan. 12Dulu, ketika FIFA① melarang pertandingan internasional di tempat yang melampaui ketinggian tertentu, negara-negara Amerika Serikat bagian selatan② seperti Bolivia menyanggah③ dan pembatalan tersebut dihapuskan④∧⑤ dalam waktu singkat. 13Dalam kompetisi kali ini∧① yang menyediakan waktu minum mengingat panas dahsyat, penanganan terhadap tempat tinggi dipercayakan pada② setiap tim. 14Apa yang membuat① persyaratan② adil,③ belum menemui④ jawaban tepat.
赤ペン一覧(73か所)
それぞれ、訳例の語と何がいけないかを示し、右に直しを書いています。くわしい理由は、STEP 3 で1文ずつ説明します。
訳例の語と、何がいけないか直し
見出し赤ペン5か所
②
dengan「〜との闘い」は melawan
Melawan
③
∧ 訳が抜けている――の区切りがない
:(コロン)
④
Daratandaratan=陸地。平地・高原は dataran
Dataran
1第1文赤ペン8か所
①
∧ 訳が抜けている文頭の Pada がない
Pada
②
Kompetisi不要。「サッカーの」を入れる
sepak bola
③
Amerika Tengah dan Utara△ 共催3か国はすべて北米
di Amerika Utara
④
∧ 訳が抜けている今夏の「今」=ini がない
ini
⑥
∧ 訳が抜けている約=sekitar がない
sekitar
⑧
membuatmenjadi と membuat を接続詞なしで並べている
, dan keluhan pun terlontar dari para …
2第2文赤ペン3か所
①
tinggi ketinggian同じ語の重なり
tinggi suatu tempat
②
menrurun誤字
menurun → makin rendah
③
udara sendiri「そのもの」は itu sendiri
udara itu sendiri
3第3文赤ペン6か所
①
komposisi oksigen「酸素の組成」になる
Proporsi oksigen di udara
③
hirup受け身の dihirup
dihirup
④
∧ 訳が抜けている「とされる」=disebut がない
disebut
⑤
∧ 訳が抜けている「ほど」=sekitar がない。比べる形に
sekitar seperempat lebih sedikit
⑥
bumi datar「地球平面説」になる
dataran rendah
4第4文赤ペン4か所
①
menambah kurangnya oksigen「不足を増やす」で意味が逆
menutupi kekurangan itu
②
meningkatnya「上がること」。手段は meningkatkan
meningkatkan
③
nadi心拍数は denyut jantung
denyut jantung
④
jumlah napas呼吸数は frekuensi napas
frekuensi napas
5第5文赤ペン8か所
①
Untuk主節の「埋め合わせる」がなく、句が宙に浮く
Kekurangan yang … diimbangi …
②
oksigen補いきれないのは「不足分」
Kekurangan
③
belum「〜しきれない」は tidak dapat … sepenuhnya
tidak dapat … sepenuhnya
⑤
Erisllopotien綴り(小文字)
eritropoietin
⑥
dikeluarkan dari△ 分泌は disekresikan
disekresikan oleh
⑦
sumsum骨髄は sumsum tulang
sumsum tulang
⑧
menambahkan「〜に加える」。増やすは memperbanyak
untuk memperbanyak
6第6文赤ペン6か所
①
untuk主語がなくなる
proses aklimatisasi(を主語に)
②
adaptasi順化は aklimatisasi
aklimatisasi
③
∧ 訳が抜けているkompetisi の前に dalam
dalam
④
mengulurkan「差し出す」の意味になる
menunda
⑤
jadwal masuk negara tuan rumah現地入り=会場の都市に入ること
kedatangan di lokasi
⑥
∧ 訳が抜けている「直前まで」がない
hingga menjelang pertandingan
7第7文赤ペン5か所
①
∧ 訳が抜けている「さらに」=lagi がない
lagi
②
kemungkinan orang yang terkena述語がなく文になっていない/「も」=pula がない
muncul pula risiko …
③
penyakit gunung tinggi高山病は penyakit ketinggian
penyakit ketinggian
④
beserta「〜を伴う」は disertai
yang disertai
⑤
muntahan吐いた物。吐き気は mual
mual
8第8文赤ペン2か所
①
bukanhanya がないと否定になる
tidak hanya terbatas
②
∧ 訳が抜けている「及ぶ」がない
meluas ke
9第9文赤ペン6か所
①
tekanan気圧。空気抵抗は hambatan udara
hambatan
②
melompatボールが「跳ねる」になる
melaju
③
tempat biasa平地の訳語を第3文とそろえる
di dataran rendah
④
memberiボールは回転を「かけられる」側
diberi
⑤
memberok誤字。曲がるは melengkung
melengkung
10第10文赤ペン6か所
①
Lompatan darat陸上競技は atletik(darat は陸地)
nomor lompat cabang atletik
②
∧ 訳が抜けている主語の「これが」がない
kondisi ini
③
di Olimpiade Meksiko pada 1968前の節にかかってしまう
; pada Olimpiade Meksiko 1968,
⑤
lompatan lari走り幅跳びは lompat jauh
atlet lompat jauh
⑥
sekaligus「同時に」。一気に=大差で
dengan selisih yang sangat jauh
11第11文赤ペン3か所
①
tuang rumah誤字。ここは「国」
negara
②
daratandaratan=陸地
dataran
③
lingkungan sendiri「そのもの」の itu がない
lingkungan itu sendiri
12第12文赤ペン5か所
①
FIFA正式名も訳す
Federasi Sepak Bola Internasional (FIFA)
②
Amerika Serikat bagian selatan「米国の南部」になる
Amerika Selatan
③
menyanggah「猛」がない。反論ではなく抗議
memprotes keras
④
pembatalan tersebut dihapuskan「取り消しが廃止された」で逆
larangan itu … dicabut
⑤
∧ 訳が抜けている「追い込まれた」=terpaksa がない
terpaksa
13第13文赤ペン2か所
①
∧ 訳が抜けている「でも」=pun がない
pun
②
pada人に委ねるときは kepada
kepada
14第14文赤ペン4か所
①
membuat判断の基準を問う表現
dapat dianggap sebagai
②
persyaratan要件。条件は kondisi
kondisi
④
menemui人に「会う」。答えは ada
ada
40点の内訳——意味が逆になった語と、文にならない文
話の骨格(高地 → 酸素 → 体の反応 → ボール → 公平性)はつかめています。点を落としたのは、1か所で大きく減点される種類の誤りです。
正確さ意味が逆・別の話になった8か所(menambah kurangnya・bukan … tetapi juga・Amerika Serikat bagian selatan・pembatalan dihapuskan・lompatan darat・bumi datar・tekanan udara・masuk negara tuan rumah)/sekitar・ini・lagi・pula・pun・terpaksa などの訳抜け
22/50
自然さ主語と述語がそろわない5文(第1・5・6・7・10文)/主語と述語の間のコンマ(第14文)/membuat・mengulurkan・menemui などの語の選び方
10/30
語彙・表記誤字(Berjuan・menrurun・Erisllopotien・memberok・tuang・Bemon)/2,200・kota の表記/受け身の di-(dihirup・diberi)/daratan と dataran
8/20
良い点:semakin … semakin(〜につれて)、Bukan berarti …, tetapi(〜わけではないが)、terpaksa(ざるを得ない)、Dulu・dalam waktu singkat(かつて・ほどなく)、関係節で修飾する組み立て(第13文)は正しく使えている
図7:正確さの失点の多くは、意味が逆になった語です。定訳を知っていれば防げる誤りが多いので、取り返しやすい失点でもあります。
大きく削られた2つの型
①意味が逆・別の話になった8か所——menambah kurangnya(不足を増やす・第4文)、bukan … tetapi juga(否定になる・第8文)、bumi datar(地球平面説・第3文)、tekanan udara(気圧・第9文)、lompatan darat(陸の上の跳躍・第10文)、Amerika Serikat bagian selatan(米国の南部・第12文)、pembatalan dihapuskan(取り消しの廃止・第12文)、masuk negara tuan rumah(開催国に入る・第6文)。
②文として成り立っていない5文——第1・5・6・7・10文。文頭の Untuk・Dalam で主語が消えたり、名詞のかたまりで終わって述語がなかったりしています(図11)。
どちらも、1か所で大きく減点される種類の誤りです。
意味が逆・別の話になった8か所
左が正しい訳、右が訳例です。どれも1語か2語の違いで、文の意味が入れ替わっています。
menutupi kekurangan itu不足を補う(第4文)
menambah kurangnya oksigen不足を増やす
tidak hanya …, tetapi juga …〜だけでなく〜も(第8文)
bukan … tetapi juga …〜ではなく〜も(否定になる)
dataran rendah平地(第3文)
bumi datar地球平面説
hambatan udara空気抵抗(第9文)
tekanan udara気圧
nomor lompat cabang atletik陸上競技の跳躍(第10文)
lompatan darat陸の上の跳躍
Amerika Selatan南米(第12文)
Amerika Serikat bagian selatan米国の南部
larangan itu … terpaksa dicabut禁止が撤回された(第12文)
pembatalan tersebut dihapuskan取り消しが廃止された
kedatangan di lokasi会場の都市に入る(第6文)
masuk negara tuan rumah開催国に入る
図8:8か所のうち5つ(平地・空気抵抗・陸上・南米・現地入り)は、漢字語や日本語の言い回しを字面で置き換えたことから生まれています。
漢字語を、字面で組み立てない——定訳が要る11語
漢字を1字ずつインドネシア語に置き換えると、別の意味の語ができあがります。訳す前に、定訳が要る語に印をつけておきます。
日本語訳例定訳
高地
daratan tinggidaratan=陸地
dataran tinggidatar=平らな
平地
bumi datar/tempat biasa地球平面説/いつもの場所
dataran rendah第3・9文でそろえる
空気抵抗
tekanan udara気圧
hambatan udarahambat=妨げる
陸上(競技)
darat陸・陸地
atletik跳躍は nomor lompat
走り幅跳び
lompatan lari「走る跳躍」の直訳
lompat jauhjauh=遠く
南米
Amerika Serikat bagian selatan米国の南部
Amerika SelatanSerikat を入れない
心拍数
nadi脈・動脈
denyut jantungjantung=心臓
骨髄
sumsum髄(どこの?)
sumsum tulangtulang=骨
順化
adaptasi広い意味の「適応」
aklimatisasi高度や気候に慣れること
高山病
penyakit gunung tinggi直訳
penyakit ketinggianketinggian=高さ・高度
吐き気
muntahan吐いた物
mual吐くのは muntah
図9:字面訳を防ぐコツは、訳す前に原文を読み、「定訳を知らない語」に印をつけておくこと。印のついた語だけは、組み立てずに、知っている定訳を思い出します。
アメリカ大陸の呼び方——第1文と第12文
Serikat が入るかどうかで、大陸の地域名か、国の名前かが変わります。
Amerika Utara北米米国・カナダ・メキシコなど。2026年W杯の共催3か国は、すべてここ
Amerika Tengah中米グアテマラ・パナマなど、北米と南米の間の国々
Amerika Selatan南米ブラジル・アルゼンチン・ボリビアなど。CONMEBOL の地域
Amerika Serikat米国(国名)Serikat=連合。bagian selatan をつけると「米国の南部」
Amerika Latin中南米ラテンアメリカ。スペイン語・ポルトガル語を話す国々をまとめた呼び方
「北中米大会」は日本での呼び方です。共催の3か国はどれも北米の国なので、インドネシア語では Piala Dunia 2026 di Amerika Utara や、3か国を並べた Piala Dunia 2026 di Amerika Serikat, Kanada, dan Meksiko と書きます。
図10:訳例は第1文で北中米を Amerika Tengah dan Utara、第12文で南米を Amerika Serikat bagian selatan と訳していました。地域名と国名は、Serikat の1語で分かれます。
主語と述語をそろえる——文にならなかった文
日本語は主語がなくても文になりますが、インドネシア語では「何が・どうする」がそろって、はじめて文になります。
✕ 第5文の訳例:Untuk … で始まり、文全体の述語がないUntuk oksigen yang belum ditambal …,〜酸素のために(だれが・どうする?)
hormon … memicu …ホルモンが働きかける
◯ 修正案:「補いきれない不足」を主語に、「埋め合わされる」を述語にKekurangan yang tidak dapat ditutupi …主語(補いきれない不足は)
diimbangi述語(埋め合わされる)
melalui kerja hormon …〜の働きによって
✕ 第7文の訳例:名詞のかたまりで終わり、述語がないJika … lebih tinggi,さらに高ければ
kemungkinan orang yang terkena …〜にかかる人の可能性(どうなる?)
◯ 修正案:「出てくる」を述語に立てるDi tempat yang lebih tinggi lagi,さらに高い場所では
muncul pula述語(〜も出てくる)
risiko penyakit ketinggian …主語(高山病のおそれ)
✕ 第10文の訳例:「これが」がなく、主語がないDalam cabang Lompatan darat陸上の跳躍では
(主語なし)何が?
memberi keuntungan …有利に働き
◯ 修正案:「この条件は」を主語に立てるDalam nomor lompat cabang atletik,陸上の跳躍では
kondisi ini主語(この条件は)
menguntungkan;述語(有利に働く)
図11:5つの文(第1・5・6・7・10文)が、主語か述語を欠いていました。訳し終えたら、1文ずつ「何が・どうする」を指で押さえます。
この文章の「わな」——訳しにくい表現は、どこで取れたか
日本語の言い回しや固有名詞のうち、訳し方に注意が要るものを並べました。◯=取れた、△=惜しい、✕=崩れた。
表現文結果正しい形・コメント
〜わけではないが第3文◯Bukan berarti …, tetapi …
〜につれて/〜一方第2・9文◯◯semakin … semakin …/sementara
〜ざるを得ない第6文◯terpaksa
もっとも・かつて・ほどなく第6・12文◯Kendati demikian・Dulu・dalam waktu singkat
地の利・不満が漏れた・委ねられた・給水タイム第1・11・13文◯keuntungan・mengeluh・dipercayakan・waktu minum
〜とされる(2回)第3・6文✕◯第3文で disebut が抜けた(第6文は◯)
北中米大会/メキシコ市/メキシコ五輪第1・10文△△◯Amerika Utara/Kota Meksiko(小文字にした)/Olimpiade Meksiko
何をもって〜わけではない第14文△apa yang dapat dianggap sebagai … belum ada jawaban
直前まで第6文✕hingga menjelang pertandingan が抜けた
補いきれない分は〜で埋め合わせる第5文✕Kekurangan yang tidak dapat ditutupi sepenuhnya … diimbangi
〜のみならず〜にも及ぶ第8文✕tidak hanya …, tetapi juga meluas ke …
そのもの(2回)第2・11文✕✕itu sendiri(2回とも itu が抜けた)
撤回に追い込まれた/一気に塗り替えた第12・10文✕✕terpaksa dicabut/dengan selisih yang sangat jauh
国際サッカー連盟(FIFA)の正式名第12文✕Federasi Sepak Bola Internasional (FIFA)
EYD(2.200・接頭辞 di-・dataran)第1・3・9文ほか✕2.200・dihirup・diberi・dataran
専門語18語のうち ◯7△1✕10
◯:ketinggian・tekanan udara(気圧)・ginjal・hormon・hemoglobin・sel darah merah・putaran △:分泌(disekresikan) ✕の例:平地・空気抵抗・陸上・走り幅跳び・心拍数・骨髄・順化・高山病 など(図9)
図12:言い回しの訳(〜わけではない・〜ざるを得ない)は取れていて、崩れたのは「補いきれない」「のみならず」「そのもの」など、文の組み立てに関わる表現でした。
STEP 31文ずつ、訳し直す
ここからは見出しと14の文を1つずつ、原文 → 訳例(添削前)→ 修正案 → 直すところの順に並べています。赤い丸数字は、STEP 2 の一覧と同じ番号(文ごと)です。修正案のマーカーは、書き換えた箇所です。
見出し赤ペン5か所
原文
「薄い空気」との闘い――高地が選手とボールに及ぼすもの
訳例(添削前)
Berjuan① dengan② “Udara Tipis”∧③ Pengaruh Daratan④ Tinggi pada Atlet dan Bola.⑤
修正案
Berjuang Melawan “Udara Tipis”: Dampak Dataran Tinggi terhadap Atlet dan Bola
ここが良い
“Udara Tipis”(薄い空気)を引用符つきで訳し、Atlet dan Bola(選手とボール)も正確です。見出しの2つの要素(何と闘うか/何に影響するか)は、どちらも訳に入っています。
直すところ
①Berjuan は誤字です。berjuang(闘う)の最後の g が抜けています。見出しの最初の語の誤字は、とくに目立ちます。
②「〜との闘い」は berjuang melawan。berjuang dengan … だと「〜を使って闘う」「〜と一緒に闘う」とも読めます。闘う相手は melawan(〜に立ち向かう)で示します。見出しなので、語頭は大文字で Melawan。
③――(ダッシュ)の区切りが訳されていません。日本語の見出しの――は、インドネシア語ではコロン(:)で表します。区切りがないと、“Udara Tipis” Pengaruh … と、2つの見出しが1つにつながって読めてしまいます。
④daratan は「陸地」、dataran は「平らな土地」。darat(陸)+-an=daratan(海に対する陸地)。datar(平ら)+-an=dataran(平地・高原)。高地は dataran tinggi、平地は dataran rendah。1字の違いで、別の語になります(図9)。
⑤見出しの末尾には、ピリオドを付けません。日本語の見出しに句点を付けないのと同じです。
ほかに:「及ぼすもの」は Pengaruh でも意味は通りますが、模範訳は Dampak(影響)。pada を terhadap(〜に対する)にすると、影響の向きがはっきりします。
第1文赤ペン8か所
原文
今夏のサッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会では、標高約2200メートルのメキシコ市が会場の一つとなり、各国の監督から不満が漏れた。
訳例(添削前)
∧①Piala Dunia Kompetisi② Amerika Tengah dan Utara③ pada musim panas∧④, kota⑤ Meksiko yang berada di ketinggian ∧⑥2,200⑦ meter menjadi salah satu lokasi pertandingan membuat⑧ pelatih dari berbagai negara mengeluh.
修正案
Pada Piala Dunia sepak bola musim panas ini di Amerika Utara, Kota Meksiko yang terletak di ketinggian sekitar 2.200 meter menjadi salah satu tempat pertandingan, dan keluhan pun terlontar dari para pelatih berbagai negara.
ここが良い
メキシコ市が会場の1つになった、という文の中心(Kota Meksiko … menjadi salah satu lokasi pertandingan)は取れています。pelatih dari berbagai negara(各国の監督)も正確です。
直すところ
①文頭の Pada が抜けています。Piala Dunia で文を始めると「W杯が」が主語のように見え、そのあとの Kota Meksiko … menjadi … と、主語が2つになります。「〜大会では」は Pada Piala Dunia …(〜において)と、場面を示す前置詞で始めます(図11)。
②Kompetisi は不要です。Piala Dunia(W杯)だけで「大会」の意味があります。代わりに、原文の「サッカー・」を sepak bola で入れます。W杯は、ほかの競技にもあるからです。
③△ 北中米大会は、Amerika Utara で足ります。「北中米大会」は日本での呼び方で、共催の米国・カナダ・メキシコは、3か国とも北米(Amerika Utara)の国です。Amerika Tengah(中米)を入れると、中米の国も会場になったように読めます(図10)。
④今夏の「今」=ini が抜けています。musim panas だけでは「夏に」で、いつの夏か分かりません。musim panas ini(この夏)とします。
⑤Kota Meksiko の Kota は大文字です。都市名の一部(固有名詞)だからです。Kota Meksiko=メキシコ市、Meksiko だけなら国のメキシコ。
⑥約=sekitar が抜けています。原文は「約2200メートル」。数字の前の「約・およそ」を落とすと、断定になります。
⑦インドネシア語の桁区切りはピリオドです。2,200 だと「2.2」(小数)と読まれます。2.200 と書きます(EYD)。
⑧menjadi と membuat を、接続詞なしで並べています。「〜が会場になり、〜させた」と2つの述語が並ぶので、間に , dan を入れます。模範訳は「不満が漏れた」を keluhan pun terlontar(不満の声も上がった)と、不満を主語にして書いています。
ほかに:berada(ある)は terletak(位置する)、lokasi pertandingan は tempat pertandingan でも言えます。
第2文赤ペン3か所
原文
標高が上がるにつれて気圧は下がり、空気そのものが薄くなる。
訳例(添削前)
Semakin tinggi ketinggian①, tekanan udaranya semakin menrurun② sehingga udara sendiri③ semakin menipis.
修正案
Makin tinggi suatu tempat, makin rendah tekanan udaranya sehingga udara itu sendiri menjadi tipis.
ここが良い
semakin … semakin …(〜につれて)の構文は、正しく使えています。sehingga(その結果)で、気圧が下がる → 空気が薄くなる、という因果もつながっています。
直すところ
①tinggi ketinggian は、同じ語の重なりです。ketinggian(高さ・標高)+ tinggi(高い)で「高さが高い」。Makin tinggi suatu tempat(ある場所が高いほど)と、「場所」を主語にします。
②menrurun は誤字です。menurun(下がる)。模範訳は、前半の tinggi と対にして makin rendah(低くなる)としています。
③「そのもの」は itu sendiri。udara sendiri だと「空気だけで」「空気が自分で」とも読めます。udara itu sendiri(空気そのもの)と、itu を入れます。第11文にも同じ「そのもの」があります。
ほかに:semakin … semakin は makin … makin と同じ意味です(訳例の形でも正しい)。semakin menipis(ますます薄くなる)も通じますが、模範訳は menjadi tipis(薄くなる)としています。
ここから先は会員限定です
第3文以降の添削と、模範訳をまとめて収録しています。あわせて収録しているのは次の内容です。
- 「4分の1ほど少ないとされる」と bumi datar——第3文
- 「補いきれない分は〜で埋め合わせる」——主節が抜けた第5文
- 「現地入りを直前まで」と「高山病のおそれも」——第6・7文
- 「のみならず〜にも及ぶ」——否定の範囲のわな(第8文・図13)
- 「陸上の跳躍」と「一気に塗り替えた」——第10文
- 「南米諸国」と「撤回に追い込まれた」——第12文
- 表記の見直し14と、見直しの5分(図14)
- 模範訳(全文)、重要語彙13、背景メモ、次に狙う3点