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日本人的に「受け身」に感じられないdi動詞について

エリック講師、日本人的に一番、違和感を抱きやすい「受け身」について聞きたいんだけど。

Eric

ああ、接頭辞Diを「される」、って訳したいんだけど、なんだかしっくりこないやつね。
そうそう、まさにそれ!

この前の日常会話レッスンで、ちょっとこの話題になったんだけど、基本的に調理・料理関係の動詞には、このdiが付く傾向があるって話をしたんだ。以前、ハリ講師も「インドネシア語|受動態【Di-接頭辞】まとめ」でやってたけど、あれ分かりやすいね、今回もdiを別アプローチからも見てより理解を深めてもらおうと思う。
OK!まかせた。

で、例えば、「料理する」って動詞。これって何て言う?
そりゃ「Masak」でしょ?!

そんなドヤられても… その通りだ。ただ、インドネシア語の文では「料理する」って言いたい場合は基本的にdimasakになることがめっちゃ多いんだ。

Di-動詞について

じゃあ、まずはDi動詞について確認しておこう。以下は、基本的なことだ。調理に関する di- 動詞の例を表にしてみた。
能動態(me-)受動態(di-)diが付いたときの意味
MemasakDimasak調理される
MenggorengDigoreng揚げられる
MembakarDibakar焼かれる(炭火で)
MerebusDirebus茹でられる
MengukusDikukus蒸される
ふんふん。オッケー。で、料理するのはこの「わたし」の場合、saya memasakになるよね!

もちろん、Sayaから始まる文章だったらSaya memasak 〇〇「私は〇〇」を料理するになる。けども、料理される対象物や、主語が省略された場合はちょっと変わってくるんだ。

① 対象物が前にない場合のDi-の使用

インドネシア語では文脈から対象物が推測できるため、明示されていなくても自然に受動態が使われるんだ。

例文

1. Digoreng sampai kecokelatan.

(きつね色になるまで揚げる)

2. Direbus selama 10 menit.

(10分間茹でる)


※digoreng:揚られる、sampai~:~まで、kecokelatan:きつね色、茶色がかった(原型:coklat:茶色)、direbus:茹でられる、selama~:~間、10=sepuluh、menit:分

日本語訳も「~される」とはなってないだろ?これは日本語とインドネシア語の違いによるところも大きいんだけど、日本語だと。誰が調理するか、つまり「調理の主体」に焦点が当たりやすい。だから「料理します」といった動詞を使う。
ほうほう、普通はそう言うよね。まさか「料理されます」なんて受け身っぽい使い方なんてしないもん。

一方、インドネシア語的には、何が調理されるか、つまり「調理の対象(食材)」や「行為そのもの」に焦点が当たっている。だから「料理される:dimasak」という表現を使ってると言える。
んー、その動詞の対象がどこにあるのか「調理者(日本語的)なのか、「動作(インドネシア語的)」なのかってことがこの感覚のズレを生み出してるってことね。

② 動作そのものを強調する際のDi-の使用

調理者ではなく「行為」や「過程」が重要な場合も同様にdi- が使われるってことはしっかりと頭に入れておいて。

例文

Dibakar di atas arang.

(炭火の上で焼く)

→別に誰が焼こうが構わない、大事なのは「炭火の上で焼く」こと


※dibakar:焼かれる、di~:~で、atas:上、arang:炭(火)

そっか、なるほどね。なんとなくわかってきた。日本人が学ぶインドネシア語の受け身は何かしら前に「目的語(対象物)を前に置いて、その後ろにdi-動詞を置くって習うからよけい迷うんだよね。

そうそう、文法的に間違いかどうかというより日本語とインドネシア語の「感覚の違い」によるものって感じ。もう一度確認すると…
  • 日本語的感覚
    → 誰が調理するか、つまり「調理の主体」に焦点が当たりやすい。
  • インドネシア語的感覚
    → 何が調理されるか、つまり「調理の対象(食材)」や「行為そのもの」に焦点が当たる。
    • 例:Sayur dipotong.(野菜が切られる)→ 主体を特定せず、行為と対象物を強調。

この違いから、インドネシア語では調理手順や説明にdi-(受動態)がよく使われるわけ、で、日本人学習者が「受け身=~される」って印象が強烈にあるのもこの問題を根深いものにしていると言えるね。
たしかに、「される」って訳した途端に変な感じになることめっちゃあるもん。

そうそう、だからこそ、インドネシア語の今回やってきたdi-の特徴を頭に入れておくことも大事。

③ 日本語的な受け身との違い

日本語では「受動態」というと「〜される」という受け身の意味が強いけど、インドネシア語のdi-は以下のような特徴があるね。
  • 行為の主体(誰が調理するか)を特定しない。
    • 例: Ayam digoreng.(鶏肉が揚げられる)→ 誰が揚げるかは関係ない。
  • 「行為そのもの」や「調理の過程」に焦点を当てる。
    • 例: Dimasak dengan api kecil.(弱火で調理される)
エリックさん、なんとなくだけど「そんなもんなんだ~」ってわかってきた。

それはいいことだよ。そんなもんなんだ~っていう受け入れをいかに素直にスムーズにするかが語学学習では大事。今までの経験や概念とは全然違うものが外国語学習では結構出てくる。その時に、その素直に吸収するという態度を持っておこうね。
まあ、とはいっても、まだ100パーセント吸収できたわけじゃないよ!そんなに柔軟な頭を持ってるわけでもないぞ!

そんなこと百も承知してる… まあ、それを100パーセントの理解に近づけるにはdiが使われるいろんなパターンとそのシーンを確認しておく必要がある。

Di-の使用と理解するためのポイント

① 文脈で理解する

  • 対象物が文脈から分かる場合、明示されないことが多い。そんな時にも対象物に焦点を当てるためにdi 動詞は使われる。
    • 例: レシピの指示はまさにそう → Direbus selama 10 menit.(10分間茹でる)

行為に焦点を当てる

  • 誰がやるかではなく、「何がされるか」「どうされるか」に注目。
    • 例(これもレシピ): Dimasak dengan api kecil.(弱火で調理する)

レシピの説明では、何を調理しているかが文脈で明らかになってるし、対象物を省略しても問題ないよね。だから料理の文脈で使われる動詞にdiがつくことが多いのもわかったかな?
ほうほう!繰り返し例を出されて今になってめっちゃわかってきた。

まとめ

  • 日本語では「主体」に注目するが、インドネシア語は「対象物」と「過程」を強調するため、受動態が自然に使われる。
  • 文脈に依存して対象物を省略することも多く、これは言語特有の「行為中心」の発想によるもの。

ざっくりとまとめると、インドネシア語では、調理に関する表現で「di-」を使うのは、何が調理されるかや行為そのものに焦点を当てるため。
え、ってかさ、これって「調理」の文脈だけの話?

もちろん調理以外にも今回学んだインドネシア語的な感覚に則っていればdi-はよく使われることになる。もちろん例外もあるかもしれないから、その時は下のコメント欄から気軽にコメントしてね。

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