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penggugat と tergugat、pedoman と polisi|判決記事は、たった1語で誰が誰を訴えた話かがひっくり返る

日→イ JAPANESIA

penggugat と tergugat、pedoman と polisi——判決記事は、1語で話がひっくり返る

今日の課題は判決ものです。東京高裁が一審を取り消し、病院に賠償を命じた——という新聞記事。見出し+全9文を、bahasa baku(書き言葉)に訳していきます。
難所は3つ。①役割を表す語(遺族・医療法人・代理人・専門家・原告側)。訳し分けを1か所まちがえると、誰が誰を訴えた話かが反転します
②似ているのに中身が逆の語抗菌薬(antibiotik)と耐性菌(bakteri resisten)指針(pedoman)と警察(polisi)。どちらも英語や見た目に引きずられると、逆のものを書いてしまいます
③修飾句の係り先「三年以上点検しないまま放置していた」は何に掛かるのか。「使途の説明を欠いたまま」は何を修飾するのか。日本語のままだと、どちらも2通りに読めます

見出し+全9文 図解8点 用語解説56 模範訳つき

今日のねらい:立場を表す語を、訳す前に確定させる

判決記事には登場人物が多いのが特徴です。この記事だけでも遺族/医療法人/病院側の代理人/原告側/専門家/裁判所/厚生労働省/会計検査院——8つの立場が出てきます。

やっかいなのは、インドネシア語の対応語が、どれも1語で決まってしまうことです。penggugat(原告)とtergugat(被告)は接頭辞が違うだけここを取り違えると、「原告が呼んだ証人」が「被告が呼んだ証人」になり、証言の意味が正反対になります

もうひとつ、見た目に引きずられる語があります。指針を英語の policy から連想してpolisiと書くと、インドネシア語では「警察」です。抗菌薬obat kebalと書くと「耐性のある薬」——耐性を持っているのは菌のほうですから、意味が裏返ります。

そして数字八千万円80 juta yenです。「万」はインドネシア語に対応する単位がないので、いったんアラビア数字に直してから3桁で区切ります。8,0 juta と書くと八百万円——一桁ずれます

最後に、訳し落としやすい語を先に挙げておきます。控訴審(banding)係属中の(yang sedang berjalan)ほとんど(nyaris)もっとも(kendati demikian)どれも文の骨格や留保を担っている語で、消えると論の向きが変わってしまいます

訳す前の構えだけ、先に

解説に入る前に、この課題に固有の構えを5つ渡しておきます。訳語そのものにはまだ触れません。

① 訳す前に「誰が誰を訴えた話か」を一行メモにする。今日の記事なら「遺族が医療法人を訴え、高裁が病院の過失を認めた」。この一行があると、penggugat と tergugat をどちらに当てるかで迷わなくなります訳しながら考えると、必ずどこかで入れ替わります

② 機関名は、訳す前に定訳を並べておく。地裁・高裁・最高裁厚生労働省会計検査院この記事は機関名が5つ出ます。書き始めてから思い出そうとすると、そこで手が止まります先に手札として並べておくのが速い。

③ 数字は「万」で止めない。八千万三年以上三倍二〇二三年数行この記事の数字は5つですが、桁の変換が要るのは「八千万」だけです。その1か所を、いちばん慎重に扱います

④ 直接引用は、文体を落とさずに訳す。この記事には引用が3つあります。「単なる不注意の域にとどまらず…」(判決文)、「個別の事情によるもので…」(代理人)、「係属中の手続きについて…」(省庁)。どれも硬い書き言葉で、くだけた言い方に落とすと、誰の発言か分からなくなります

⑤ 記事の性格をつかむ。この記事は判決の報道ですが、後半3文が論評になっています。前半(第1〜5文)は事実の報告後半(第6〜9文)は書き手の見立て後半には「もっとも」「〜でもない」「程遠い」といった留保の語が集まっていますここを訳し落とすと、記事が「解決した話」に読めてしまいます

STEP 1 まず自分で訳す(見出し+全9文)

1文ずつ訳してください。直接引用の部分も、書き言葉のまま置きます。先に解説を読まずに、まず自分の訳を作ってから先へ進むと、あとの解説が効きます。

院内感染死訴訟で病院側の過失認定 東京高裁、一審を取り消し賠償命令

課題:次の日本語をインドネシア語(bahasa baku・書き言葉)に訳しなさい

多剤耐性菌による院内感染で死亡した患者の遺族が医療法人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は二十七日、抗菌薬の使用記録を三年以上点検しないまま放置していた病院側の体制を「単なる不注意の域にとどまらず、危険を承知のうえでの放置にほかならない」と述べ、請求を退けた一審判決を取り消して約八千万円の支払いを命じた。

焦点となったのは、耐性菌の検出が続いていた二〇二三年の時点で病棟の閉鎖に踏み切るべきだったかどうかだ。原告側の申請で法廷に立った感染症学の専門家は、当時の検出頻度が院内の平年値の三倍を超えていたと証言した。病院側の代理人は「個別の事情によるもので一般化はできない」と反論したが、判決は、院内感染対策委員会の議事録が数行にとどまり報告も曖昧だった点を重く見て、記録の不備そのものが注意義務違反を裏づけると判断した。この論理は病院側に反論の余地をほとんど残さない。

厚生労働省は「係属中の手続きについて意見を述べる立場にない」としながらも、抗菌薬の適正使用を促す指針の見直しに舵を切る方針を打ち出した。もっとも、会計検査院は昨年、耐性菌対策の補助金の一部が使途の説明を欠いたまま翌年度に繰り越されていたと指摘しており、指針を書き改めるだけで片づく類いの問題でもない。

賠償と対策費の重みに耐えられず廃業に追い込まれる中小病院も出始め、負担が施設の体力によって大きく異なる実情が浮き彫りになった。ボールは、一病院ではなく公的医療保険の財源配分を設計する側に投げ返されている。決着には程遠い。

Dikutip dari Yomiuri Shimbun

STEP 2 1文ずつ、語の選び方を確かめる

解説に入る前に、「誰が誰を訴えた話か」を先に片づけておきます。この地図があるだけで、あとの9文が驚くほど楽になります

誰が誰を訴えた話か ── 先に地図を作ってから訳し始めます 立場を表す語は1語で決まってしまうので、取り違えると文の意味がそのまま反転します。 訴えた側 遺族 → keluarga pasien / ahli waris 原告側 → pihak penggugat 申請した専門家 → saksi ahli 証人を呼んだのは、こちら側です。 訴えられた側 医療法人 → badan hukum kesehatan 被告 → tergugat 代理人 → kuasa hukum 弁護団なら tim kuasa hukum。 gugat 判断する側 majelis hakim(裁判体) PT Tokyo = Pengadilan Tinggi Tokyo penggugat(原告)と tergugat(被告)は、接頭辞ひとつで立場が逆になります 「原告側の申請で法廷に立った専門家」を tergugat と書くと、被告が呼んだ証人になり、証言の重みが反転します。 訳す前に一行メモを作っておけば、この事故は起きません。

図1 立場を表す語の地図。左が訴えた側、右が訴えられた側です。

見出し

院内感染死訴訟で病院側の過失認定 東京高裁、一審を取り消し賠償命令

訳に使う語
lalai = 怠るlalai(不注意な・怠った)→ kelalaian過失・怠慢melalaikanおろそかにするterlalaikan放置されてしまう
kelalaian medis(医療過誤)/kelalaian petugas(職員の過失)/akibat kelalaian(過失により)。
法律の場面での重さkelalaian「うっかり」から「法的な過失」まで幅がある語です。この記事では後者——賠償責任の根拠になる過失を指しています。
重さの階段:kekhilafan(うっかり)<kelalaian(過失)<kesengajaan(故意)。この記事の判決は、「単なる kelalaian ではない」と言って、故意寄りに一段上げています——そこが第1文の山場です。
「過失認定」はkelalaian … diakui(過失が認められる)と受動で置くのが、見出しでは自然です。diakui認められるmengakui=認める)。
過失
医学用語としての定訳infeksi nosokomial院内感染。ギリシャ語 nosokomeion(病院)から来た国際用語で、インドネシア語の医学・報道文でもそのまま使います
言い換えはinfeksi yang didapat di rumah sakit(病院で得た感染)/infeksi terkait layanan kesehatan(医療関連感染)。どれも通じますが、いちばん短くて硬いのが nosokomialです。
infeksi の仲間infeksi(感染)→ terinfeksi(感染する)/menginfeksi(感染させる)/penularan(伝播)/menular(伝染する)/penyakit menular(感染症)。
第3文の「感染症学の専門家」ahli penyakit infeksi同じ語根が記事内で2回出ます。
「院内感染死」kematian dalam rumah sakit と書くと「病院内での死」になり、感染が消えますkematian akibat infeksi nosokomial原因を明示します。
院内感染
三審の名前を、まとめて覚えるPengadilan Negeri(PN)地方裁判所Pengadilan Tinggi(PT)高等裁判所Mahkamah Agung(MA)最高裁判所
adil(公正な)→ mengadili(裁く)→ pengadilan(裁判所・裁判)/peradilan(司法制度)/keadilan(正義)。
gugat は裁判所名に入りませんgugat(訴える)→ menggugat(提訴する)/gugatan(訴え・訴訟)/penggugat(原告)/tergugat(被告)/digugat(訴えられる)。
あくまで「訴える」という動作の語なので、Pengadilan Gugat という裁判所は存在しません。Pengadilan + 段階の名前——Negeri / Tinggi / Agung の3つだけです。
報道文では略称が普通です。PT TokyoPN Jakarta PusatMA初出だけ正式名称、以降は略称という書き方をします。
高等裁判所
perintah = 命令perintah(命令)→ memerintahkan(公的に)命じるdiperintahkan命じられるperintah pengadilan裁判所の命令
menyuruh(言いつける)は日常語で、判決の主語には使えませんIbu menyuruh saya belanja.(母が買い物を頼んだ)——この温度感です
ganti rugi = 損害賠償ganti(代わり・取り替え)+rugi(損)=損害の埋め合わせmenuntut ganti rugi(賠償を求める)/membayar ganti rugi(賠償を払う)/gugatan ganti rugi(損害賠償請求訴訟)。
kompensasi(補償)とも言いますが、訴訟で請求するものは ganti rugi が定番です。
見出しでは接頭辞を落として Perintahkan と書けます。Batalkan(←membatalkan)も同じ。インドネシア語の見出しは meN- が落ちる——この記事でも2か所で使えます
賠償を命じる
訳の設計

何が認められたか(Kelalaian Rumah Sakit Diakui)どんな事件で(dalam Kasus Kematian akibat Infeksi Nosokomial)|ダッシュ|誰が何をしたか(PT Tokyo Batalkan … dan Perintahkan …)
日本語の見出しは「過失認定」+「一審を取り消し賠償命令」という2つのかたまりです。インドネシア語でも同じ2つに割って、ダッシュでつなぐと収まります。

原文(再掲)

院内感染死訴訟で病院側の過失認定 東京高裁、一審を取り消し賠償命令

模範訳

Kelalaian Rumah Sakit Diakui dalam Kasus Kematian akibat Infeksi Nosokomial — PT Tokyo Batalkan Putusan Tingkat Pertama dan Perintahkan Ganti Rugi

見出しで機関名を決めると、本文が全部そろいます

見出しでPT Tokyoと書いておけば、本文でも同じ略称が使えます。逆に、見出しで裁判所名を外すと、本文でも毎回悩むことになります
そしてもうひとつ。「院内感染死」の「感染」は削れませんkematian dalam rumah sakit(病院内での死)にすると、事件の中身が消えます見出しは短くしたい——でも、事件を特定する語だけは残すこれが判決記事の見出しの原則です。

よくあるつまずき

裁判所の名前に gugat を入れてしまう。Pengadilan Gugat Tokyo と書きたくなるのは、訴訟の記事だからです。でもgugat は「訴える」という動作の語で、裁判所の等級を表しません
Pengadilan + Negeri / Tinggi / Agung——この3つしかありません今日ここで覚えてしまえば、判決記事はもう怖くなくなります

「命じる」を menyuruh にしてしまう。意味は通じますが、menyuruh は「お使いを頼む」ときの語です。判決が命じるのは memerintahkan文体の格が一段違います
同じ理由で、「述べた」も berkata より menyatakan / menilaiのほうが判決文になじみます。硬さをそろえる——bahasa baku の課題では、これがそのまま出来ばえに出ます

第1文

多剤耐性菌による院内感染で死亡した患者の遺族が医療法人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は二十七日、抗菌薬の使用記録を三年以上点検しないまま放置していた病院側の体制を「単なる不注意の域にとどまらず、危険を承知のうえでの放置にほかならない」と述べ、請求を退けた一審判決を取り消して約八千万円の支払いを命じた。

訳に使う語
banding = 控訴banding(比較・控訴)→ mengajukan banding控訴するnaik banding控訴に進むtingkat banding控訴審
もとの意味は「比べる」で、dibandingkan dengan(〜と比べて)も同じ語です。「上の裁判所に、もう一度比べてもらう」——そう考えると、法律用語のほうも腑に落ちます。
三段階の言い方tingkat pertama(第一審)→ tingkat banding(控訴審)→ tingkat kasasi(上告審)。putusan(判決)を頭に付けてputusan tingkat banding(控訴審判決)。
putus(切れる・決まる)→ memutuskan(決定する)→ putusan(判決・決定)/keputusan(決定)。「迷いを断ち切ること」が語の芯です。
この一句を落とすと、記事の骨格が立ちません一審を取り消すという話は、控訴審だからこそ起きるもの。Dalam putusan tingkat banding …文頭に置くのが、いちばん収まります。
控訴審判決
「遺族」に1語の対応語はないインドネシア語には「遺族」だけを表す語がありません。場面で選びます。
keluarga korban(被害者の家族)/keluarga pasien yang meninggal(亡くなった患者の家族)/ahli waris(相続人)/keluarga almarhum(故人のご家族・敬意を含む)。
訴訟の文脈では賠償を請求する主体として書くならahli waris(相続人)が最も法律寄り。報道文では keluarga pasien / keluarga korban が読みやすく、こちらが普通です。
waris(相続)→ mewarisi(相続する)/warisan(遺産)/pewaris(被相続人)。ahli「専門家」だけでなく「〜に属する人」という使い方もします(ahli warisahli keluarga)。
この文ではkeluarga pasien yang meninggal akibat … と、yang 節をうしろに長くつなげます「どういう患者の家族か」を後ろから足していく——インドネシア語の基本の並びです。
遺族
badan hukum = 法人badan(体・機関)+hukum(法)=法人badan hukum「法律上の人格を持つ組織」で、日本語の「法人」とぴったり重なります。
badan usaha(事業体)/badan pemerintah(政府機関)/berbadan hukum(法人格を持つ)。
医療法人の言い方インドネシアには日本の「医療法人」と同じ制度がないので、説明的に置くのが実務です。badan hukum kesehatanbadan hukum pengelola rumah sakit(病院を運営する法人)/yayasan(財団法人。非営利の病院運営でよく使われます)。
制度が対応しないときは、意味で置く——これが日→イ翻訳のいちばん現実的な作法です。
この記事では以降ずっと「病院側」と書かれるので、2回目からは pihak rumah sakit で受けられます。初出だけ正確に、あとは短く
医療法人
kebal = 効かない・免疫があるkebal(不死身の・免疫のある)→ kekebalan免疫sistem kekebalan tubuh=免疫系)/kebal hukum法的に手が出せない
kebal terhadap …〜が効かないterhadap(〜に対して)でつなぐのが型です。
resisten という言い方も医学・報道ではbakteri resisten(耐性菌)が定番です。resistensi antimikroba(抗菌薬耐性、英語 AMR)/bakteri resisten antibiotik(抗菌薬耐性菌)/multiresisten(多剤耐性)。
多剤耐性kebal terhadap berbagai obat(いろいろな薬が効かない)とほどいて書くのがいちばん伝わります。
耐性を持っているのは菌のほうです。obat kebal と書くと「耐性のある薬」——意味が裏返ります抗菌薬は antibiotikこの2語は、記事のなかで何度も隣り合うので、区別を先に固めておきます図4で整理します)。
多剤耐性菌
biar = そのままにするbiar(〜させておく)→ membiarkan放置する・そのままにするpembiaran放置(という行為)dibiarkan放置されるbiarkan sajaほうっておけ
この文では membiarkan と pembiaran が両方要ります。前半が動詞、引用のなかが名詞です。
「〜しないまま」の作り方membiarkan + 対象 + tidak + 動詞「〜を〜しないままにする」
membiarkan catatan tidak diperiksa(記録を点検しないままにする)/membiarkan pintu tidak terkunci(ドアを施錠しないままにする)。
tanpa memeriksa(点検せずに)でも言えますが、membiarkan … tidak … のほうが「放っておいた」という責任の含みが出ます。判決文にはこちらが合います
この長い修飾句が掛かる先は「病院側の体制」です。放置していた期間の話ではなく、体制がどういうものだったかを言っています。sistem rumah sakit yang membiarkan … と、yang で体制に貼り直します図6で詳しく見ます)。
点検しないまま放置する
sekadar = ただの・単なるkadar(程度・度合い)→ sekadar単に・〜にすぎないsekadar formalitas(形式だけ)/sekadar bercanda(冗談のつもり)/bukan sekadar …単なる〜ではない
近い語にsemata-mata(もっぱら・ただ)。bukan semata-mata … も同じ形で使えます。
melainkan は否定専用bukan A, melainkan B「AではなくBだ」前が否定のときにだけ使える接続詞です。tetapi(しかし)は前が肯定でも使えますが、melainkan は否定を受ける専用
dan でつなぐと対比が消えますbukan A dan B「AでもBでもない」と読めてしまい、意味が逆になります
「〜の域にとどまらず」は否定ではなく、格上げの合図です。「Aどころではない、もっと重いBだ」と言っている。だから melainkan で受けて、Bを強く出します今日いちばん大事な構文で、第9文でもう一度出ます
単なるAではなく、Bだ
batal = 無効になるbatal(取りやめになる・無効になる)→ membatalkan取り消す・無効にするdibatalkan取り消されるpembatalan取消しbatal demi hukum法律上当然に無効
membatalkan penerbangan(欠航にする)/membatalkan pesanan(注文をキャンセルする)——日常語としても頻出です。
「請求を退けた」の言い方menolak gugatan訴えを退けるtolak(拒む)→ menolak(拒否する)/penolakan(拒否)/ditolak(退けられる)。
gugatan(訴え)を使います。tagihan(請求書・料金の請求)はお金の取り立てのほうで、訴訟の請求ではありません「請求」という日本語が2つの意味を持っている——そこが落とし穴です
membatalkan putusan tingkat pertama yang menolak gugatan tersebut「その訴えを退けた一審判決を取り消す」yang で「どの一審判決か」を後ろから説明します。日本語の「請求を退けた一審判決」と、語順まで同じです。
一審判決を取り消す
単位の階段ribu(千)<juta(百万)<miliar(十億)<triliun(兆)。
インドネシア語には「万」に当たる単位がありません。だから「八千万」を、いったんアラビア数字に直す必要があります。八千万 = 80.000.000 = 80 juta
手順を固定してしまう①日本語のまま(八千万)→ ②アラビア数字(80.000.000)→ ③インドネシア語(80 juta)この3ステップを飛ばさないのがこつです。
頭のなかで「八千万=8 juta」と直訳すると、一桁ずれます8 juta = 800万賠償額としては、まったく別の記事になってしまいます
点が桁区切り、コンマが小数点——日本と逆です。80.000.000(8000万)/80,5(80.5)。8,0 juta「8.0百万=800万」という意味になります。図7で、この手順をもう一度なぞります
約八千万円
訳の設計

どんな判決で(Dalam putusan tingkat banding atas gugatan …)誰が(Pengadilan Tinggi Tokyo)いつ(pada 27 Agustus)何をどう評価し(menilai sistem rumah sakit yang … sebagai hal yang “…”)そして何をしたか(lalu membatalkan … dan memerintahkan …)
日本語は「述べ、取り消して、命じた」動詞が3つ連なります。インドネシア語ではmenilai …, lalu membatalkan … dan memerintahkan … と、lalu で一度息を入れると読みやすくなります。

原文(再掲)

多剤耐性菌による院内感染で死亡した患者の遺族が医療法人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は二十七日、抗菌薬の使用記録を三年以上点検しないまま放置していた病院側の体制を「単なる不注意の域にとどまらず、危険を承知のうえでの放置にほかならない」と述べ、請求を退けた一審判決を取り消して約八千万円の支払いを命じた。

模範訳

Dalam putusan tingkat banding atas gugatan ganti rugi yang diajukan keluarga pasien yang meninggal akibat infeksi nosokomial oleh bakteri yang kebal terhadap berbagai obat, Pengadilan Tinggi Tokyo pada 27 Agustus menilai sistem rumah sakit yang membiarkan catatan penggunaan antibiotik tidak diperiksa selama lebih dari tiga tahun sebagai hal yang “bukan sekadar kelalaian biasa, melainkan pembiaran terhadap risiko yang telah disadari”, lalu membatalkan putusan tingkat pertama yang menolak gugatan tersebut dan memerintahkan pembayaran ganti rugi sekitar 80 juta yen.

長い文は、切れ目を先に決めてから書き出します

この文は日本語で150字を超える長文です。いきなり訳し始めると、途中でどこを訳したか分からなくなります
先に切れ目を4つ入れてしまいます。①どんな判決で/②誰がいつ/③何をどう評価し/④何をしたかこの4つの箱を作ってから、それぞれを埋めるそうすると、訳抜けが起きません
実際、この文で落ちやすいのは②と③です。「控訴審判決で」(①)「点検しないまま放置していた病院側の体制」(③)——どちらも長い修飾のなかに埋もれているので、箱を先に作らないと、まるごと消えます

よくあるつまずき

「控訴審判決で」が消える。これがいちばん重い訳抜けです。banding がないと、「一審を取り消す」という話がどこから来たのか分からなくなります
手当ては簡単で、文頭に Dalam putusan tingkat banding … と置くだけ。日本語の語順そのままです。最初の箱を空けたまま先へ進まない——それだけで防げます

「点検しないまま放置していた病院側の体制」がまるごと落ちる。判決が何を評価したのかという、この文の核です。ここが消えると、「高裁が賠償を命じた」という結論だけが残り、理由が無くなります
長い修飾句は先に日本語で骨だけ取り出すと扱いやすくなります。「体制を、〜と述べた」——骨はこれだけそこに修飾を戻していきます

対比を dan でつないでしまう。tidak sebatas A dan B と書くと、「AでもBでもない」と読めます。原文は「Aではなく、むしろBだ」ですから、正反対です。
bukan sekadar A, melainkan Bmelainkan がこの引用の心臓で、判決がここで「単なる過失」から「危険の放置」へ格上げしているのが分かる形になります。

約八千万円を 8 juta と書いてしまう。八千万=80 juta です。「八千」という字面につられて 8 を書くと、一桁ずれて800万円になります
防ぎ方はひとつだけ。いったん 80.000.000 と書き下してから、juta に直す手間は5秒で、金額の記事ではここがいちばん目立つ箇所です。

「請求」を tagihan にしてしまう。日本語の「請求」には①お金の取り立て②訴訟上の請求の2つがあります。tagihan は①(請求書・料金)。訴訟の請求は gugatan です。
同じ日本語が2つの意味を持っているときは、どちらの意味かを日本語で言い直してから訳す「裁判所に求めたもの」なら gugatan——これで決まります

裁判所は3段階。名前も、判決の呼び方も、段階ごとに決まっています 今日の記事は真ん中の段。ここを落とすと「一審を取り消す」という話の土台が消えます。 Mahkamah Agung(MA) 最高裁判所 / その判決 = putusan tingkat kasasi ↑ kasasi(上告) Pengadilan Tinggi(PT)← 今日の記事はここ 高等裁判所 / その判決 = putusan tingkat banding ↑ banding(控訴) Pengadilan Negeri(PN) 地方裁判所 / その判決 = putusan tingkat pertama 報道文では略称が普通 初出だけ正式名称、以降は PT Tokyo / PN Jakarta Pusat。 gugat は動詞です 「訴える」という動作の語で、 裁判所の等級を表しません。 × Pengadilan Gugat Tokyo ○ Pengadilan Tinggi Tokyo Negeri/Tinggi/Agung の3つだけ。 「控訴審判決で」= Dalam putusan tingkat banding … 一審を取り消す話なので、banding がないと記事の骨格が立ちません。訳文のいちばん最初に置きます。

図2 三審制と、それぞれの判決の呼び方。gugat は裁判所名には入りません。

第2文

焦点となったのは、耐性菌の検出が続いていた二〇二三年の時点で病棟の閉鎖に踏み切るべきだったかどうかだ。

訳に使う語
sorot = 光を当てるsorot(光線・視線)→ menyorot照らす・注目するsorotan注目・スポットライトlampu sorotスポットライトmenjadi sorotan注目の的になる
「光が当たっているところ」という絵から来ています。日本語の「焦点」とほぼ同じ発想です。
言い換えの手札Yang menjadi sorotan adalah …Yang menjadi fokus adalah …Titik krusialnya adalah …(核心は)/Persoalan utamanya adalah …(主な問題は)/Yang dipersoalkan adalah …(争点となったのは)。
裁判の争点と言いたいならpokok perkara(事件の本体)という法律用語もあります。報道文なら sorotan がいちばん自然です。
Yang … adalah …「〜なのは、〜だ」という強調構文。日本語の「〜のは、〜かどうかだ」と、形がそのまま重なります訳しやすい文型なので、覚えておくと便利です。
焦点となったのは
harus = 〜しなければならないharus(〜すべき)→ seharusnya本来なら〜すべきだったkeharusan義務mengharuskan義務づける
seharusnya は「実際にはそうしなかった」という含みを持ちます。Seharusnya saya datang lebih awal.(もっと早く来るべきだった=来なかった)。
「〜かどうか」の apakahapakah疑問文の頭にも、「〜かどうか」という名詞節にも使えます。Saya tidak tahu apakah dia datang.(彼が来るかどうか分からない)。
seharusnya が抜けると、まったく別の問いになります。apakah … menutup だと「閉鎖したかどうか」——事実の確認になってしまう。争点は「すべきだったか」という評価です。この一語で、争点の性格が決まります
近い言い方にsepatutnya(当然〜すべき)/semestinya(本来〜のはず)。どれも「そうならなかった」という含みを持ちます。判決記事では seharusnya が最も使われます
〜すべきだったかどうか
病院の中の単位bangsal病棟・大部屋(英語 ward)。bangsal anak(小児病棟)/bangsal isolasi(隔離病棟)/bangsal bedah(外科病棟)。
病院の中を表す語をまとめて:rumah sakit(病院)>bangsal(病棟)>ruang rawat(病室)>tempat tidur(ベッド=病床数の単位)。
規模が変わると事実が変わるbangsal を rumah sakit にすると、病院ぜんぶの閉鎖になります。記事が言っているのは、一区画を閉じるかどうか
大きさの取り違えは、数字の取り違えと同じくらい重い——読み手が受け取る事実そのものが変わってしまうからです。建物や組織の単位を表す語は、訳す前に一拍置きます
「閉鎖に踏み切る」menutup(閉じる)で足ります。「踏み切る」を memutuskan untuk … と足しても構いませんが、seharusnya sudah menutup と書けば「踏み切るべきだった」がひと息で出ます
病棟
tutup = 閉じるtutup(閉じる)→ menutup閉める・閉鎖するditutup閉鎖されるpenutupan閉鎖(という行為)tertutup閉ざされているpenutupふた・結び
menutup sementara(一時閉鎖する)/penutupan bangsal(病棟の閉鎖)。
名詞で置く手もあるmenutup bangsal(病棟を閉じる/動詞)とmelakukan penutupan bangsal(病棟の閉鎖を行う/名詞)はどちらも成立します。
報道文は、動詞のほうが短く読みやすい名詞化は、行為そのものを主題にしたいときだけにします。日本語の「〜の実施」「〜への踏み切り」を、そのまま名詞で移さない——これは日→イ全般のこつです。
menutup第6文の「不足を埋める」でも使える語ですが、この記事では出てきません。閉じる/ふさぐという同じ絵から、両方の意味が伸びています
閉鎖する
deteksi = 検出英語 detection から。mendeteksi検出するterdeteksi検出されるdeteksi dini早期発見alat deteksi検出装置
-tion → -si の借用は規則的です:infeksideteksiresistensisanksiregulasi英語に戻して考えられるので、こういう語はむしろ味方です。
「続いていた」の出し方terus-menerus(絶え間なく)/terus(引き続き)/berulang kali(繰り返し)/secara berkelanjutan(継続的に)/masih saja(相変わらず)。
重ね語の terus-menerusいちばん「途切れずに続く」感じを出します。ハイフンで結ぶのが正書法です。
ketika bakteri resisten terus-menerus terdeteksi「耐性菌が検出され続けていた時期に」ketika(〜のとき)で年号にぶら下げると、日本語の「検出が続いていた二〇二三年の時点で」と同じ形になります。
検出が続いていた
訳の設計

何が焦点か(Yang menjadi sorotan adalah)問いの中身(apakah rumah sakit seharusnya sudah menutup bangsal)いつの話か(pada 2023)その年の状況(ketika bakteri resisten terus-menerus terdeteksi)
日本語は「検出が続いていた二〇二三年の時点で」年号の前に説明が来ますが、インドネシア語は年号を先に置いて ketika で後ろから足すほうが自然です。ここは語順を入れ替えます

原文(再掲)

焦点となったのは、耐性菌の検出が続いていた二〇二三年の時点で病棟の閉鎖に踏み切るべきだったかどうかだ。

模範訳

Yang menjadi sorotan adalah apakah rumah sakit seharusnya sudah menutup bangsal pada 2023, ketika bakteri resisten terus-menerus terdeteksi.

「べきだった」は、たった一語で支えています

seharusnya があるかないかで、争点そのものが変わります
あり「閉鎖すべきだったか」——評価を争っているなし「閉鎖したかどうか」——事実を確かめているだけ
裁判の記事で争われるのは、たいてい「そうすべきだったか」のほうです。日本語で「〜べき」「〜はず」「〜のに」が出てきたら、その語に対応する一語を必ず立てる——判決記事では、ここが評価の分かれ目になります。

よくあるつまずき

「病棟」を rumah sakit にしてしまう。病院ぜんぶの閉鎖になり、事実の規模が変わります病棟=bangsal
建物や組織の単位を表す語は、数字と同じくらい取り違えが目立ちます病院>病棟>病室>病床——階層を1つ持っておくと迷いません

文が従属節のまま終わってしまう。Yang menjadi sorotan adalah apakah … と書き出したら、apakah 節のなかに主語と述語をそろえる必要があります。
apakah mengambil langkah penutupan … のように動名詞で始めると、「誰が」が抜けたまま文が閉じませんapakah rumah sakit seharusnya sudah menutup …——主語(rumah sakit)を立てるだけで、文がきちんと着地します。

第3文

原告側の申請で法廷に立った感染症学の専門家は、当時の検出頻度が院内の平年値の三倍を超えていたと証言した。

訳に使う語
peN- が「する人」、ter- が「される人」menggugat(訴える)から、peN- を付けるとpenggugat訴える人=原告ter- を付けるとtergugat訴えられる人=被告
接頭辞ひとつで、立場が逆になります綴りが似ているぶん、いちばん事故が起きやすい対です。
同じ作りの対を、まとめてpelapor(通報者)/terlapor(通報された人)。pendakwa(告発者)/terdakwa(被告人・刑事)。penuduh(非難する人)/tertuduh(非難された人)。
刑事なら terdakwa、民事なら tergugatこの記事は損害賠償請求なので民事——penggugat / tergugat の組です。
pihak(側・当事者)を頭に付けると「原告側」になります。pihak penggugatpihak tergugatpihak rumah sakit(病院側)/pihak berwenang(当局)。日本語の「〜側」と、ぴったり同じ働きです。
原告側
hadir = 出席するhadir(出席する・居合わせる)→ menghadiri〜に出席するmenghadirkan(人を)出席させる・呼ぶdihadirkan呼ばれて出るkehadiran出席・存在hadirinご列席のみなさま
-i は「〜に出る」、-kan は「〜を出させる」この2つの使い分けが、そのまま能動と受動の形を決めます
「立った」を受動で置く理由日本語の「原告側の申請で法廷に立った」は、自分の意思で立ったのではなく、呼ばれて出たという話です。
だからdihadirkan(呼ばれて出席させられた)のほうが正確。hadir dalam sidang(審理に出席した)でも通じますが、「誰が呼んだか」が消えますこの文では、呼んだのが原告側だという点が要——受動で置くと、その情報がきれいに入ります
sidang(会議・審理)→ persidangan(法廷・審理の場)/ruang sidang(法廷)/bersidang(審理を開く)。di persidangan法廷でatas permohonan …〜の申請によりmohon=願う → permohonan=申請)。
法廷に呼ばれて立った
ahli = 専門家ahli(専門家)+分野名、が基本の形です。ahli hukum(法律の専門家)/ahli gizi(栄養士)/ahli bedah(外科医)/ahli sejarah = sejarawan(歴史学者)/keahlian(専門性)。
pakar(専門家)もほぼ同義で、報道文では pakar もよく使われます
法廷で証言する専門家saksi ahli鑑定人・専門家証人という決まった言い方があります。saksi(証人)+ahli(専門家)。
Ahli penyakit infeksi yang dihadirkan … と書けば「専門家証人」だと分かる形になりますし、saksi ahli di bidang penyakit infeksi肩書で置く手もあります。どちらでも通ります
penyakit menular(感染症)という言い方もあります。penyakit infeksi感染によって起きる病気penyakit menular人から人へうつる病気——院内感染は前者で言うほうが正確です。
感染症の専門家
saksi = 証人saksi(証人)→ bersaksi証言するmenyaksikan目撃する・観覧するkesaksian証言saksi mata目撃者disaksikan oleh〜の立会いのもとで言える形・言えない形○ bersaksi bahwa …(〜だと証言する)
○ memberikan kesaksian bahwa …(証言を行う)
○ menyatakan dalam kesaksiannya(証言のなかで述べる)
× memberi saksi——「証人を与える」という形になってしまい、意味をなしません。saksi は人kesaksian が証言という中身です。ke-…-an が付いて初めて「言われた内容」になる——ここが分かれ目です。
同じ作り:hadir(出席する)/kehadiran(出席)。putus(決まる)/keputusan(決定)。saksi(証人)/kesaksian(証言)。ke-…-an は「その状態・その中身」を作る、と覚えておくと通ります。
証言する
「平年値」に1語の対応語はないrata-rata(平均)だけだと「何の平均か」が抜けます。日本語の「平年値」は「例年の平均」——時間の幅を含んだ語です。
だからrata-rata tahun-tahun sebelumnya(これまでの各年の平均)/rata-rata tahunan(年平均)/angka normal tahunan(例年の水準)と、時間の情報を足して置きます
「三倍を超える」の言い方melampaui tiga kali lipat(3倍を超える)/lebih dari tiga kali lipat(3倍以上)/mencapai tiga kali lipat(3倍に達する)。
lipat(折り重ね)=〜倍dua kali lipat(2倍)/berlipat ganda(何倍にもなる)/melipatgandakan(倍増させる)。「折り重ねる」が倍の絵になっています。
この文は「何と比べた3倍か」がいちばん大事です。比較の基準を落とすと、数字が宙に浮きますrata-rata … di rumah sakit tersebut(その病院の平均)まで書いて、基準を明示します。
例年の平均値
訳の設計

誰が(Ahli penyakit infeksi)どういう経緯で法廷に(yang dihadirkan di persidangan atas permohonan pihak penggugat)何をした(bersaksi bahwa …)証言の中身(frekuensi deteksi saat itu melampaui tiga kali lipat rata-rata …)
日本語は「原告側の申請で法廷に立った感染症学の専門家は」修飾が主語の前に全部来ますが、インドネシア語は主語を先に出して yang で後ろから足す形になります。ここも語順が入れ替わります

原文(再掲)

原告側の申請で法廷に立った感染症学の専門家は、当時の検出頻度が院内の平年値の三倍を超えていたと証言した。

模範訳

Ahli penyakit infeksi yang dihadirkan di persidangan atas permohonan pihak penggugat bersaksi bahwa frekuensi deteksi saat itu melampaui tiga kali lipat rata-rata tahun-tahun sebelumnya di rumah sakit tersebut.

「誰が呼んだ証人か」が、証言の重みを決めます

裁判の記事で専門家証人が出てくるときどちら側が呼んだのか必ず書かれます。読み手がその証言をどう受け取るかが変わるからです。
ここでは原告側が呼んだ専門家が、病院に不利な数字を証言しただから判決が原告側に傾いた——記事の流れが、この一句で決まっています
atas permohonan pihak penggugatこの5語を落とすと、証言が誰の主張を支えているのか分からなくなります

よくあるつまずき

原告側を tergugat と書いてしまう。今日いちばん重い取り違えです。tergugat は被告——つまり病院側「病院側が呼んだ専門家が、病院に不利な証言をした」という、まったく別の話になってしまいます。
防ぎ方は接頭辞で覚えることpeN- = する人(penggugat=訴える人=原告)ter- = される人(tergugat=訴えられる人=被告)pelapor/terlapor、pendakwa/terdakwa も同じ作りです。この規則をひとつ入れておけば、迷ったときに戻れます

「証言する」を memberi saksi と書いてしまう。saksi は「証人」という人なので、「証人を与える」という形になってしまいます。
bersaksi(証言する)かmemberikan kesaksian(証言を行う)。ke-…-an が付いて初めて「証言という中身」になる、という作りです。

「平年値」を rata-rata だけで済ませてしまう。平均とだけ書くと、何の平均か・いつの平均かが消えますその日の平均とも読めてしまう。
日本語の「平年」「例年」という時間の幅を含んだ語です。rata-rata tahun-tahun sebelumnya時間を足して置く——1語に1語を当てようとせず、足りない情報を補うのが日→イの基本です。

ここから先は、第4文以降の逐語解説です

この先では、残る6文について 日本語原文 → 訳に使う語 → 訳の設計 → 模範訳 → よくあるつまずき の順に見ていきます。あわせて収録しているのは次の内容です。

  • bukan sekadar A, melainkan B——対比の否定を dan で潰さないための形(図3)
  • 抗菌薬と耐性菌——antibiotikbakteri resisten。似ているのに中身が逆の2語(図4)
  • pedoman か kebijakan か polisi か——「指針」を英語の policy から連想すると、警察になります(図5)
  • 修飾句の係り先——「三年以上点検しないまま放置していた」「使途の説明を欠いたまま」はどこに貼るか(図6)
  • 数字の桁——「八千万」を 80 juta に直すまでの3ステップ(図7)
  • 模範訳の全文、提出前の点検リスト(図8)、復習語彙12
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