
さあ、でーきた、できた!こだわりラーメン、熱々のうちに食べようっと!いっただっきまー・・・

じーーー。

な、何だ?何だ?どこの子だ!?人様の家に?
まいっか。とりあえず食べてから考えれば。いただき・・・

じーーーーー

お、お兄ちゃんね、ちょっと繊細っていうのかな。見られてると緊張して落ち着いて食べられないから、ちょっとの間、向こうで遊んでてね。

じじじじーーーーーー

わ、わかりましたよ。味見、ちょっとだけだよ?なんかこの押しの強い感じ、どっかで・・・

ピンポーン!どうも、こんにちは!ずぼらバリ嫁のひろみでーす!

わっ、出たー!

出たーとは何さ?人聞き悪いなぁ。

申し訳ないんですけど、今取り込み中でして。また後で来てもらってもいいですか?

あ!美味しそうなラーメン!

バレた!そ、それは!

いただきまーす!

ちょ、ちょっとだけですよー?ところでひろみさん、ひょんなことから僕、迷子の男の子を今預かっているんですよ。

おっ!ちょんちょんもラーメン食べに来てんの?さすが美味しいものには目敏いね!

知ってるんですか、この子!?

知ってるも何も。うちの息子だよ!
海外で出産することを決めた理由

ちょんちょん・・・はまさか本名ではないよね?

うん、本当はI GDEからはじまるバリの長い名前もあるんだけど、呼びやすいからね。ちょんちょんって。日本名のハヤト→ハヤトん→トントン→ちょんちょんってな感じで。

まったく原型が残ってないし・・・。で、ちょんちょんはそのめっちゃ日本顔だけど、インドネシア人とのハーフなんだよね?日本で生まれたの?

そうそう、よく言われる。インドネシア人っぽさはまだ出てきてないよね、顔には。生まれはバリなんだけどね。

あれっ、里帰り出産しなかったんだ?

うん、日本で生みたいなぁーというか、あわよくば少しの間久しぶりの日本を満喫したいなぁという淡い希望もあったにはあったんだけどね。日本だと真冬の時期の出産になることとか、産後しばらく旦那くんと遠距離生活になることを考えると、バリで産もうかなって。ほら、赤ちゃんの成長は早いって言うでしょ、だからその1番かわいい時期を旦那くんとも共有したいっていうか。一緒に見てほしいなっていうのもあったし。

なるほどね。

それに旦那くんの両親も口には出さないけど、バリで産んでほしそうな感じは醸し出していたなぁ。バリ人は生まれた瞬間から、いや正確に言うと生まれる前からたくさんの通過儀礼という名のイベントが控えているからね。

生まれる前から?それはすごいなぁ。

日本でも「戌の日の安産祈願」とか「七五三」とかあるじゃん?そんな感じだよ。バリはもっと細かくたくさんあるんだけど。

そう言われてみると、同じようなものかぁ。でも海外ではじめての出産でしょ?不安は感じなかったの?

まぁ、そもそも出産自体が未知の世界だったからね。不安と言えば不安だったかな。でもインドネシアって、どこへ行っても必ず赤ちゃんや子どもを抱っこしてるママがいるじゃない?これだけの数の子どもが毎年無事に誕生してるんだから、まっ、大丈夫でしょ、とは思ってたけど。

なんかひろみさんらしいっていうか、ざっくりとした自信なのに妙に説得力があるな。
インドネシアの産婦人科事情

妊娠がわかってから、まず病院に行ったと思うんだけど、インドネシアの病院ってどうなの?

私の場合、まず妊娠かなって気付いたのが、ちょうどビザの延長のために出国する予定の前々日でね。ビザが切れる前にどうしても出国しなきゃいけないって状況だったから、とりあえず予定通りまずジャカルタに飛んで、Siloam Hospitalsっていう総合病院の産婦人科で最初の検診を受けたの。

Siloamはでっかい病院だよね!インドネシア国内にも数ヶ所ある。

うん。病院自体がきれいだし、外国人も利用する人が多い病院だよね。でもその時はフライングというか、受診のタイミングが早すぎちゃって。先生も「まだ何も見えないけど、妊娠検査薬で陽性なら間違いないと思います。またバリ戻ってから病院行ってくださいね」って感じで。

そっか、で、帰ってきてバリで再受診?

そうそう。バリにも病院の選択肢はたくさんあってSiloamもあるし、他にも友達に薦められた先生や日本人の助産師さんがいる病院なんてところもあって迷ったんだけど。結局、家から近いお義姉さんが以前お世話になった先生のところに行くことにしたよ。

確かに通いやすさも大事だよね。いざ生まれるって時に、病院まで何時間もかかるんじゃ困っちゃうし・・・

「インドネシアのお医者さんは、お金のために外国人相手だとすぐ帝王切開勧めてくるよー」なんて噂を耳にしたことがあったけど、そんなこともまったくなく、それぞれの赤ちゃんのタイミングというかペースを尊重してくれるとてもいい先生だったよ。

いい先生に出会えてよかったね!

ただインドネシアあるあるというか・・・

何?

これ産婦人科に限らずだけど、病院行くといつも大量のビタミン剤をもらうんだよね。結局、飲めなくて溜まっていく一方だったんだけど。よかったら、タイキくん、あげる!

僕、栄養足りてるんで!遠慮しときます!

Aotek(薬局)って書いてあるけど?これがその病院?

そうそう。2階が歯医者で、1階に私が通ってたドクターの診察室があるよ。

こじんまりしてる病院みたいだけど、案外きれいだね。

でしょー?設備なんかも結構新しいみたいでさ。私はタイミングが悪くてできなかったんだけど、4Dエコーもあるから、生まれる前の赤ちゃんのお顔を立体的に見ることもできるよ。

へー、すごいね。

検診内容はほとんど日本と同じだと思うけど、体重量って、問診、血圧チェックがあって、3Dエコーで赤ちゃんの様子を見るって感じかな。検診自体はたぶん15分もかかってないと思うけど、毎回自分の番が来るまでは、待合室で1時間待ち。

なんで?予約してから行けばよかったのに。

いやいや、毎回予約しての1時間待ちだよ。

そうなのかー!

ちなみに日本だと体重管理とかもっとうるさいと思うんだけど、ドクターからは特に何もなかったなぁ。ただこっちの妊婦さんは+15kgとかそれ以上の人もざらにいるみたいで、逆に友達とか会う人会う人からは「もっと食べないと!」と心配されたよ。私も最終的には11kg増えたから、日本だったらごく標準的な部類に入るとは思うんだけど。

まわりの声も気になるよね。

あと日本の妊婦さんのブログとか読んでると、尿検査や血液検査、臨月に入ったら今度はNST(ノンストレステスト)、内診ともっといろいろ検診内容や項目があるみたいだったけど・・・逆に心配になるぐらい何もなかったなぁ。さては心の目で見たってことか?

いやいや、それはできんでしょ!

「尿検査とかやらないんですか?」って聞いてみたら、妊娠6ヶ月の時だったかな。1度だけ尿検査と血液検査をやることになったんだけど。その時の看護婦さんも採血あまり慣れてなかったみたいで・・・翌週のハロウィンは仮装の必要なしだったわ!

そういえば、よく妊娠中は食の好みが変わるとか言うでしょ?何か日本食でこれが食べたいってのはなかったの?

日本食でってわけではなかったけど、しょっぱいものを欲してたね、体が。

しょっぱいものね。

自分で料理すると、何を作っても味付けが全部しょっぱくなっちゃうからさ、旦那くんから「なんか全体的にしょっぱい・・・」って言われたよ。自分ではまったく気付かなかったんだけど。

それ単純に、砂糖と塩を間違えたんじゃなくて?

私も一瞬それを疑ったんだけどさ、自分ならやりかねないって。でもどうやら味覚のずれだったみたいで。しまいには旦那くんももう褒めるものがなくなっちゃってさ、「い、いやー、さすがだな!お米、美味しい!めっちゃ、やわらかく炊けてる!」って・・・いや、それ、炊飯器さんの仕事なんだけど。

旦那さん、ナイスフォローです!
マタニティーライフと出産準備

赤ちゃんが生まれてくるまで10ヶ月とかあるわけじゃん。どんなふうに過ごしてたの?

あ、ちなみにインドネシアでは、妊娠周期の数え方が日本と違うから、妊娠期間は9ヶ月って言われてるんだけどね。基本は今と変わらずのんびりしてたんだけど、ちょっとは妊婦っぽいこともやったよ。例えばプレナタルヨガ。
(ヨガ教室はこんな感じ)

プレナタルヨガ?

うん、妊婦さん向けのヨガのことだよ。妊婦さん向けだから難しいポーズとか、激しい動きもないし、ヨガというよりはストレッチって感じかな。

体を動かすのはいいって言うよね。

うん、そうそう。ヨガ以外にも毎朝犬を連れて近所を歩いたり、公園を散歩したり、ちょっとずつだけど、出産に向けて体力をつけようと思って。暑いから早朝か夕方ぐらいしか、外は歩けないんだけど。

バリじゃ、熱中症になりそうだもんね。

それに妊婦はシミができやすいって言うしさ。サングラスして帽子を目深にかぶって、怪しい人だったと思うわ、近所ぐるぐる俳諧してるし。

出会いたくないー!

それから、在住のオーストラリア人の助産師さんが開いているPrenatal Birthing Classesにも参加してみたよ。

へー、そんなクラスがあるんだ?

日本でいうところの母親学級的な感じかな。カップルで参加している人がほとんどだったのが印象的だったけど。

赤ちゃんの誕生を心待ちにしているのはパパもママも同じだもんね。で、実際どんなことを学ぶの?

クラスが6回のコースだったから、妊娠時の体の仕組みや出産の流れ、生まれてきた赤ちゃんのケアなどの一般的な内容はもちろん、先生がヒプノバーシングを推奨している人だったから、呼吸法は結構時間をとって練習したよ。

ん、ヒプノバーシングって?

日本語に直訳すると催眠出産になるんだけど・・・

催眠って、あの催眠?「あなたはだんだん眠くなる~」ってやつ!?

まぁ、それも一種の催眠ではあるんだけど、ヒプノバーシングでは自己催眠により心身リラックスした状態で出産に臨むことで、ほとんど痛みを感じることなく出産が可能と言われているの。

それはすごい!産む時、本当に痛みを感じなかったの?

さすがに人一人出てくるんで、そりゃ無痛ではなかったけどさ。でもヒプノのおかげか旦那くんが適当にかけてくれたヒーリングミュージックのおかげか、陣痛中にもかかわらず途中2時間ぐらい分娩台の上でがっつり寝させていただきました。

そっか、バリでも妊婦さん向けにいろいろなアクティビティーがあるんだね!他には、出産準備でどんなことしたの?

えーっと、日本領事館に母子手帳をもらいに行ったよ。

へー、海外でも母子手帳、手に入るんだね!

私も自分が妊娠してはじめて知ったんだけどね。領事館に電話して聞いてみたら「ありますよー」ってことだったから、将来使うかどうかはわからないけど、もらっておこうって思って。
(日本領事館でもらった母子手帳)

本当だ、母子手帳だ!

聞いた話ではインドネシアも、日本のシステムにならって母子手帳を導入したってことだったけど、私が知る限りでは使ってる人見たことないな。

それ、ひろみさんが作った話じゃなくて?

そんなことないよー!

あとは、出産が近くなってきたら、赤ちゃんグッズの買出し。ベッドとかの大物はお義姉さんが出産した時のものがほぼほぼ残っていたから、洋服とかブランケットとかをちまちまと買いに行ったよ。

赤ちゃんサイズの洋服とか、かわいいだろうなぁ

そうなんだよ、見てるとついついあれもこれも買いたくなっちゃうから危険なの!

なるほどね!

日本でいうところの西松屋みたいな庶民派のベビーショップ「Clandy’s」以外にも、赤ちゃんものを扱う小さなお店があっちこっちにたくさんあるし、値段はちょっと張るけどインポートものを中心に扱うお店もあるから、基本日本で買えるものはだいたい何でもあると思っていいかも。さすがにベビーフードの品揃えは、日本には適わないけどね。

ふむふむ。

それと、予定日が近くなってきたら忘れちゃいけないのが、病院の予約。

えっ、予約?でもいつ生まれてくるかはわからないんだよね?

これはたぶん診てもらってるドクターや通っている病院によると思うんだけど。私が通っていた産婦人科は診療所っていうのかな、あくまでも診察、検診用のところで、出産・入院用の施設はなかったから。出産のために、先生が提携している別の病院に、予約をしておく必要があったの。

そういうことか。

ちなみにインドネシアでは普通分娩だと入院は1泊だけで、次の日には退院できるよ。

そうなの?

私も最初聞いたときは大丈夫か?と思ったけど、慣れない病院に長くいるより、早く退院して家で過ごす方が逆にリラックスできていいかなって。

さすがザ・ポジティブ!

あとは、旦那くんはあまり乗り気ではなかったけど、生まれる前にマタニティーフォトも一緒に撮ったよ。

旦那さんの気恥ずかしい気持ちもわかるけど、後で記念になるから形として残しておくのもありかもね。

インドネシアというかバリならではのイベントでは、バリの暦でいうところの妊娠6ヶ月(バリの暦は1ヶ月を35日としてカウントするから、実際の妊娠周期と若干ずれあり)のときに、両親と胎児を清めて、健康と長生きを祈るイベントがあったよ。

さっき言ってた日本でいうところの戌の日参りってやつだね。

旦那くんのお姉義さんもちょうど二人目の子どもの出産予定日が近かったから、一緒にやったよ。2人とももうお腹が大きくて民族衣装のクバヤが着れないから、普通の白シャツで参加。
(お義姉さんと一緒に妊娠6ヶ月の儀式)

おー!

ちなみにこの6ヶ月の儀式のちょっと前に、年に2回来るバリ暦での私の誕生日があって。その時は、大きなお腹をかかえて海で沐浴したよ。

儀式がいろいろあって大変だなぁ。

なぜかこの日はお天気もイマイチで。突然の雨と海水で全身びしょびしょになった後、やっと着替えてさっぱりしたー!と思ってたら、とどめにもう一度頭の上から冷たい水をドシャーとかけられてっていう・・・
(せっかく着替えたのに水をかけられ・・・)

あのー、もう一度確認なんですけど、一応、誕生日なんですよね?誕生日っていうより、罰ゲーム感がするのは僕だけ?

いやぁー、バリのリアクション女王と呼ばれるこの私でも、この時ばかりはまったく反応できなかったわ。

今、もう一回再現してみましょっか。

じーーーーー

わっ、ごめんなさい、ごめんなさい!

・・・温水で。

やるんかーい!
いざ、出産

それで出産当日はどんな感じだったの?

うーむ、あれはのぅー、出産予定日の次の日のことじゃったかのう・・・

いや、あの普通の口調で話してもらえればいいんで。もったいつけないでください、ページもおしてきてるんで!

チッ!えーっと、朝の6時過ぎだったかな「あっ、来た!」って。

えっ、そんな普通にわかるもの?

何日か前から夜になると、いわゆる前駆陣痛っていうのかな、下腹部に痛みを感じてはいたんだけど、それとはまた全然違う痛みだったからすぐピンときたよ。そうだな、前駆陣痛がナイフで突き刺されるような痛みだとしたら、陣痛は・・・大魔王が来たって感じだったな。

まったくもって想像ができない・・・

まあでも痛みに鈍感な私でも気付いたぐらいだから、やっぱり特別なんだと思う、陣痛って。
で、旦那くんをひとまず「来たと思う!」と起こした後、陣痛の痛みの合間合間でごはん食べたり、シャワー浴びたり、病院に行く準備をしたよ。

あれ、すぐ病院に行くわけではないんだ?

急いで行ってもどうせ生まれるまで、まだまだ時間かかるだろうってことで。旦那くんもまた寝ちゃったし、結局、病院に向かったのはお昼過ぎて14時ぐらいだったかな。

おお、いよいよ!

と思ったんだけど、実はまだまだで。もう少し時間がかかりそうだし、分娩室の空きもないよってことで、とりあえずパーテーションで仕切っただけの広間っていうか廊下みたいなところに案内されて。NST(ノンストレステスト)っていうお腹の張りや赤ちゃんの鼓動を測定するためのセンサーが付いたベルトをお腹に巻き、そこで2時間放置。

こっから、まだ長いんか・・・

おやつの時間になったから、Bubur Kacang Hijau(緑豆のおかゆ)とお砂糖たっぷり入った甘ーいお茶を置いてってくれたんだけど、残念ながら全然それどころじゃなくて、まったく口つけれんかったわー。くやしー!

いやいや、そこくやしがるところじゃないでしょ!今度おごってあげるわ。

ひゃっほーい!で、そうこうしているうちに、部屋の準備が整い、分娩室に移動。で、この部屋がなんて形容したらいいのかな・・・一面緑色の密室でして。

病院って白のイメージなんだけど。

だよね?部屋はドアを開けると待合用の椅子が2脚あって、カーテンの仕切り、その先にベッド(分娩台)と個室トイレというシンプルな作りだったよ。

それから?

部屋の移動後、すぐに夜ごはんの時間になって、ボリューム満点×こってりのインドネシア料理が出てきたんだけど、こちらも結局食べられず。その後はひたすらバランスボールに座って、ごろごろ転がってた。

バランスボールまで病院に持ってったの?用意良すぎ!

いや、なぜかあったのよ。あの緑の密室にポツンと。でもこのバランスボールにはね、ホント陣痛中、助けられたよ。ただ座ってるだけなのに、痛みがラクになるの。金輪際、足向けられないわなー。

あれ、普通にさっき蹴ってましたよね?ラーメン見つけた時?

そ、そうだったかな?あと私、ドラマの見過ぎなのか、分娩台ってゆるやかな傾斜がついた椅子みたいなのを勝手に想像してたんだけど。こっちの分娩台はステンレスキッチンのようなただただフラットな台なのよね。だから最後、赤ちゃんが出てくるように息む時は、自分で自分の脚をもってこう腹筋するしかなくて!

体力振り絞った最後の最後にこの腹筋はキツイね・・・

最後の最後とは言っても、結局2時間近くやったからね、この腹筋運動を。助産師さんが横で、息が漏れると息めないから「Harus tutup murut, bu!(息むときは口を閉じて!)」って応援してくれてたんだけど、何を思ったか私murut(口)をalis(眉毛)と勘違いしちゃって。必死に右眉と左眉を寄せようとして、眉間にしわがよっただけだよっていう。タイキくん、この顔できる?

あの・・・真面目に産んでもらってもいいですか?

ええ、いたって真面目だったんですけどね。もう体力使い果たして意識朦朧っていうか、頭までエネルギーがまわらなくてさ、ハハ!で、途中で気付いてちゃんと口も閉じまして、陣痛スタートから15時間後かな。21時半過ぎにちょんちょん、無事に誕生しました!
(病院のベッドで眠るちょんちょん)

よかったー!自分が産んでいないのに、聞いているだけでドッと疲れた。ホントお疲れさまだったね。

ありがとう。あ、それと余談になるんだけどね。ちょんちょんが生まれた後、30分もしないでどす黒い色をしたカーリングの玉みたいな形をした胎盤も役目を終えて、どろんと出てくるんだけどさ。それを助産師さんたちがいそいそと新聞紙で包んでくれて「はい、どうぞ」って。

た、胎盤をくれるの?何のために?

バリ人は今まで赤ちゃんとお腹の中で一緒に育ってきた胎盤を、生まれてきた赤ちゃんの兄弟として大切に扱う風習があるの。うちもお義父さんと旦那くんがさっそく大事にもって帰って、家の庭先に埋めてたよ。

へー

埋めた胎盤には、毎日お供え物をしたり、ちょんちょんをお風呂に入れるたびにそのお湯を少し残しておいて、かけ湯してあげたり。

それはとってもユニークな風習だね。
(埋めた胎盤には、毎朝お供え物を捧げる)
退院、その後

生まれたその夜からすぐ母子同室になって、てんやわんやだったんだけど、翌日の午後にはもう退院で荷物をまとめて家へ戻ったよ。産後の興奮からか目もパッチリ冴えちゃって寝れないしね。

ママも家族も休む暇なしだね。退院から一転、いきなり赤ちゃんと一緒の生活になるわけでしょ?そのへんの心の準備はどうだったの?

正直、産むのに必死であまり考えられてなかったな、今思うと。でも、巡回の助産師さんがへその緒が取れるまでは毎朝ベビーマッサージとお風呂の面倒をみに来てくれていたから、心強かったな。何かあったら聞けるし。

1日で退院した分、そういったアフターフォローがあったんだね。

そうそう!インドネシアでは、赤ちゃんといえばMinyak Telon(ミニャックテロン)。カユプティのオイルが主成分で独特の香りがするオイルなんだけど、ことあるごとに「Minyak Telonちゃんと塗った?」って聞かれるのよね。いろんな人から。これで赤ちゃんをマッサージするとじんわり体が温かくなって風邪をひかないんだとか。
(インドネシアの赤ちゃんには欠かせないMinyak Telon)

あっ、これ見たことある!インドネシアだったら、結構どこでも売ってるよね。1本300円もしないぐらいの値段で。

Minyak Telonを塗って、おくるみで巻いて、帽子とミトンをつけたらザ・インドネシアベビーのできあがり!
まとめ
(おっきくなったちょんちょん)

日本での出産経験があるわけではないから比べることはできないけど、むしろ比べる対象がないからっていうのも大きいと思うけど、海外インドネシアでの出産でも特に大きな不安もなく、無事に出産することができたよ。家族やまわりのサポートもたくさんあったしね!

いやー、無事に生まれてきてよかった。

医療制度の違いとか言葉の壁もあるから海外出産に対して不安に思ってる人も多いとは思うけど、事前に調べたり情報を集めたりしておくことで、そのハードルがぐっと下がるかも。

それはインターネットでってこと?

でもいいし、ネットにはあまり情報が出回ってないこともあるから、先輩ママさんに聞くとか。あと私は定期健診や出産時に出てきそうな単語を英語とインドネシア語で事前にチェックしておいたよ。さすがに眉毛はノーマークだったが・・・

眉毛事件ね!ひろみさんは、無意識でも反応できるように、後で時間ある時にインドネシア語での体のパーツの表現、ジャパネシアで復習しといて。

はーい。どこで産むにしても心配しすぎないこと、ストレスをためないことがママになる人には1番大事だと思うから。無理をしすぎず、私のずぼらさをちょっとはみならって・・・

えっ、そこ!?

そうだよ。そこ重要よ。ママもママじゃない人も全員!じゃ、そんなわけでラーメン、お代わりしてもいいかしら?

こいつ、絶対ストレスたまんないタイプだな!