300兆ルピアが2つに割れた日|答えは1語で出せる。でも1語で答えると、読んだ証拠が残らない
インドネシアの最高裁が、バンカ・ブリトゥン州のスズ(timah)事件で、環境の損害と国家財政の損失を切り離した——という記事です。当初 Rp300兆とされた被害額が、Rp28.93兆(国家財政)とRp271.07兆(環境)に分けられ、汚職事件として認められたのは10分の1未満になりました。
ただし刑は変わっていません。数字が10分の1になっても、懲役は20年のまま。そのねじれが、この記事の芯です。
読解の面では、設問4問とも答えが1語で出てしまうのが今日の特徴です。だからこそ1語で返すと、本文を読んだ証拠が残らない——そこを一緒に見ていきます。
今日のねらい:短答でも、主語と述語を立てる
今日の設問1〜4は、どれも答えが1語か1句で出ます。rezim hukum tersendiri/keduanya/dampak di laut/13,5 tahun。
ところが1語で返すと、本文を読んだ証拠が残りません。たとえば設問2「二人の共通点は?」に「どちらも実刑を受けた」と答えると、本文を読まなくても言えてしまう答えになります。共通点として本文が書いているのはそこではありません。
やることは単純で、答えの前に1語だけ足す——Karena …(なぜなら)/Persamaannya, …(共通点は)/Selisihnya …(差は)。これだけで、答えが「本文のどこから来たか」が見えるようになります。
もうひとつ。この記事は制度の話です。一審・控訴審・上告審、汚職裁判所、最高裁——どの段階の話をしているのかが分かっていないと、設問4(一審と控訴審の刑期の差)が解けません。制度は、図1で先に整理します。
① 審級を表す語だけ、先に拾う。tingkat pertama(一審)/banding(控訴)/kasasi(上告)。3つの段階があり、それぞれ別の裁判所が担当します。設問4は「一審と控訴審」と限定しているので、上告審の話は使いません。
② 数字は「何の数字か」まで聞く。今日は年数(6,5/20/12)と金額(Rp300兆/Rp28,93兆/Rp271,07兆)が混ざって出ます。penjara が付いていたら年数、Rp が付いていたら金額です。
③ 人名は「役職と会社」とセットで。Prim Haryadi(裁判長)/Bambang Hero Saharjo(大学教授・環境損害を算定)/Alwin Albar(PT Timah 元取締役)/Harvey Moeis(PT Refined Bangka Tin 側)。4人出ます。
④ Keduanya を聞き逃さない。「両者とも」という語で、2回出ます。設問2の答えは、この2文にあります。
⑤ 段落の頭の1語で切り替えを拾う。今日は Adapun(第4文)、Jadi(第14文)、Kendati(第15文)。どれも話の向きが変わる合図です。
音声:KOREKSI KERUGIAN TIMAH
原文はまだ見ないでください。音声だけで、次の5問に答えてみます。設問1〜4は本文から答えが出る問い、設問5は自分の意見です。
Mengapa Mahkamah Agung menilai kerusakan lingkungan tidak dapat dihitung sebagai kerugian keuangan negara?
Apa persamaan antara Alwin Albar dan Harvey Moeis dalam perkara tersebut?
Menurut Bambang Hero Saharjo, faktor apa yang belum tercakup dalam perhitungan kerusakan lingkungan itu?
Berapa selisih pidana penjara Harvey Moeis antara putusan tingkat pertama dan tingkat banding?
Menurut Anda, apakah sistem peradilan di Jepang sudah cukup tegas terhadap korupsi korporasi? Jelaskan pendapat Anda dalam dua menit!
ここで初めて文字を見ます。聞き取れなかった箇所に印をつけながら読んでください。
KOREKSI KERUGIAN TIMAH
スズ事件、損害額の見直し
Majelis kasasi Mahkamah Agung memisahkan kerusakan lingkungan dari kerugian keuangan negara dalam perkara timah di Bangka Belitung. Dalam putusan 11179 K/Pid.Sus/2025, majelis pimpinan Prim Haryadi menyatakan bahwa kerusakan lingkungan memiliki rezim hukum tersendiri. Hanya kelebihan pembayaran tanpa studi kelayakan memadai yang sah dihitung sebagai kerugian keuangan negara. Adapun kerusakan lingkungan harus dituntut secara terpisah. Guru Besar Fakultas Kehutanan Institut Pertanian Bogor Bambang Hero Saharjo, yang menghitung nilai kerusakan itu, menegaskan bahwa angkanya belum mencakup dampak di laut. Perhitungannya sempat dipersoalkan hingga ia dilaporkan ke kepolisian.
Putusan itu lahir dari permohonan kasasi Alwin Albar, mantan Direktur Operasi dan Produksi PT Timah Tbk. Terdakwa lain dalam perkara yang sama adalah Harvey Moeis, yang mewakili PT Refined Bangka Tin. Keduanya terbukti turut serta dalam pengelolaan timah ilegal di wilayah izin usaha pertambangan PT Timah. Keduanya pula menempuh upaya hukum hingga tingkat kasasi.
Pengadilan Tindak Pidana Korupsi (Tipikor) Jakarta Pusat semula memvonis Harvey Moeis 6,5 tahun penjara, sedangkan pengadilan tinggi menaikkannya menjadi 20 tahun. Alwin Albar berakhir dengan pidana 12 tahun penjara setelah kasasinya ditolak. Angka kerugian yang semula dipatok Rp300 triliun dipilah menjadi kerugian keuangan negara Rp28,93 triliun dan kerugian lingkungan Rp271,07 triliun. Jadi, kerugian keuangan negara yang diakui kurang dari sepersepuluh angka semula.
Kendati nilai kerugian keuangan negara menyusut tajam, pidana yang dinilai mencederai rasa keadilan masyarakat itu tidak ikut berubah. Kerusakan tambang di Bangka Belitung kini menunggu penuntutan di jalur hukum yang berbeda.
Disadur dari cnnindonesia.com
解体に入る前に、制度の見取り図を先に置きます。これが分かっていないと、設問4は解けません。
図1 インドネシアの刑事裁判の3段階。設問4は①と②の差だけを聞いています。
KOREKSI KERUGIAN TIMAH
語注-tion → -si の変換です。korupsi(corruption)/produksi(production)/operasi(operation)/reputasi(reputation)。今日の本文には korupsi・produksi・operasi の3語が出ます。
koreksi と korupsi は音がよく似ています。見出しは前者、本文は後者——聞き分けの練習になります。見出しは名詞で立てるKOREKSI KERUGIAN TIMAH=「スズの損害額の見直し」。動詞がひとつもありません。名詞3つが連なっているだけです。
読み方は後ろから——timah の(スズ事件の)→kerugian の(損害額の)→koreksi(見直し)。
報道の見出しは、動詞で始めるか、名詞で立てるかのどちらかです。名詞で立てると「出来事の名前」になり、動詞で始めると「誰かがやったこと」になります。今日は前者——誰がやったかは本文で明かされます。経済ニュースでは koreksi が「(株価などの)調整」の意味でも使われます。IHSG terkoreksi=インドネシア株価指数が下落した。同じ語が、分野で意味を変えます。
ke-…-an で状態を名詞にした形です。untung(利益)↔ rugi(損失)が対になります。untung rugi=損得。
Perusahaan itu merugi tahun lalu.(その会社は昨年赤字だった)。この記事の中心語kerugian は本文に5回出ます。しかも2種類あります。
kerugian keuangan negara=国家財政の損失(汚職事件として数える損害)。kerugian lingkungan=環境の損害。
この2つを分けたことが、記事そのものです。kerugian という語が聞こえたら、そのあとに keuangan negara が来るか lingkungan が来るかを必ず確かめてください。設問1は、まさにその区別を聞いています。kerusakan(破壊・損傷)とも紛らわしい語です。kerugian=金銭に換算した損失。kerusakan=物理的な破壊。本文では kerusakan lingkungan(環境の破壊)と kerugian lingkungan(環境損害額)が両方使われています。
他の金属:emas(金)/perak(銀)/tembaga(銅)/besi(鉄)/baja(鋼)/nikel(ニッケル)/bauksit(ボーキサイト)。
資源の記事では、金属名がそのまま事件名になります。perkara timah=スズ事件。なぜバンカ・ブリトゥンなのかBangka Belitung(バンカ・ブリトゥン州)はスマトラ島の東にある島嶼部の州で、世界有数のスズ産地として知られてきました。18世紀から採掘が続く地域です。
スズははんだ(半田)や缶詰のメッキに使われ、電子機器の製造に欠かせない金属です。インドネシアは世界有数の生産国・輸出国にあたります。
採掘は陸地だけでなく海底でも行われており、この記事で「海への影響(dampak di laut)」が論点になるのは、そのためです。PT Timah Tbk はスズを扱う国有企業です。会社名がそのまま金属名になっています。PT=Perseroan Terbatas(株式会社)、Tbk=Terbuka(公開会社=上場企業)。
名詞3つだけ。動詞も主語もありません。後ろから読むと「スズ事件の → 損害額の → 見直し」。
誰が見直したのかは見出しに書かれていません。第1文で明かされます——Majelis kasasi Mahkamah Agung(最高裁の上告合議体)です。
KOREKSI KERUGIAN TIMAH
訳例スズ事件、損害額の見直し
koreksi(見直し)——新しい事件が起きた話ではありません。すでに出ていた数字を、裁判所が引き直したという話です。
だから読み手は「前はいくらで、今はいくらか」を待つ構えで読み始めます。Rp300兆 → Rp28.93兆。第13文でその答えが来ます。
見出しに動詞がない記事は、たいてい「状態が変わった」話です。誰が何をしたかではなく、何がどう変わったか——そのつもりで聞くと、数字を待てるようになります。
Majelis kasasi Mahkamah Agung memisahkan kerusakan lingkungan dari kerugian keuangan negara dalam perkara timah di Bangka Belitung.
語注Majelis Permusyawaratan Rakyat (MPR)=国民協議会。majelis taklim=宗教講話の集まり。「集まって決める場」という語です。
majelis kasasi=上告審を担当する合議体。hakim tunggal(単独裁判官)とは対になります。kasasi は上告kasasi=上告(オランダ語 cassatie 由来)。最高裁が、下級審の法律の当てはめを審査する手続きです。
大事なのは事実認定をやり直さないという点です。「本当にやったのか」はもう争わない。「その事実に、この法律を当てはめてよいのか」だけを見ます。
だから今回の争点も「環境の破壊を、汚職の損害額として計上してよいか」という法律論になりました。kasasi という語が、記事の性格を決めています。mengajukan kasasi=上告する。kasasi ditolak=上告が棄却される(第12文に出ます)。kasasi dikabulkan=上告が認められる。3つセットで覚えると、司法の記事が読みやすくなります。
Mahkamah Konstitusi (MK)=憲法裁判所。法律が憲法に反していないかを判断する、別の裁判所です。
名前が似ていますが、まったく別の機関です。MA は事件を裁き、MK は法律を裁く——そう覚えると混同しません。
mahkamah=法廷(アラビア語由来)。agung=至高の・偉大な。裁判所の階層Pengadilan Negeri(地方裁判所・一審)→ Pengadilan Tinggi(高等裁判所・控訴審)→ Mahkamah Agung(最高裁・上告審)。
汚職事件はこれと並行してPengadilan Tipikor(汚職犯罪裁判所)が一審を担当します。専門の裁判所を置いているのが特徴です。
pengadilan(裁判所・個々の機関)と peradilan(司法・制度全体)は別語です。sistem peradilan=司法制度。設問5でこの区別が効きます。adil(公正な)→ mengadili(裁く)→ pengadilan(裁判所)/peradilan(司法)/keadilan(正義・公正)。1つの語根から4語。rasa keadilan masyarakat(社会の正義感)は第15文に出ます。
memisahkan A dari B=AをBから切り離す。前置詞は dari です。dengan ではありません。
memisahkan sampah organik dari anorganik(生ごみを不燃ごみから分別する)。この1語が記事の全部この記事で起きたことは、この動詞ひとつで言い尽くされています。環境の損害を、国家財政の損失から切り離した。
切り離すと何が変わるのか——汚職事件として数える金額が減ります。そして環境の損害は、別の裁判で争うことになります(第4文・第16文)。
第1文が結論です。報道文は最初の1文に結論を置くのが基本形。そのあとの15文は、全部その説明です。memilah(仕分ける・第13文)とは少し違います。memisahkan=くっついていたものを引き離す。memilah=ひとかたまりを種類ごとに分ける。この記事には両方出ます。
インドネシアの汚職処罰法では、「国家財政に損失を与えたこと」が処罰の要件のひとつになっています。だからこの金額がいくらかは、事件の重さに直結します。
Kementerian Keuangan=財務省。laporan keuangan=財務諸表。lembaga keuangan=金融機関。なぜ環境の損害と分けるのか環境の破壊は、たしかに損害です。しかし「国の財布から出ていったお金」ではありません。
汚職の損害額として数えるのは「本来国庫に入るはずだったお金」や「不当に多く支払われたお金」——第3文の kelebihan pembayaran(過払い)がそれにあたります。
環境の破壊は別の法律(環境法)で、別の手続きで請求する——これが最高裁の判断でした。設問1の答えは、この考え方を自分の言葉で言い直すことです。merugikan keuangan negara(国家財政に損害を与える)という動詞の形でもよく出ます。汚職報道でほぼ必ず出る言い回しなので、4語まとめて覚えておくと楽になります。
perkara pidana(刑事事件)/perkara perdata(民事事件)/perkara korupsi(汚職事件)。
kasus(ケース・事件)とほぼ同義ですが、perkara のほうが法律の手続きに乗っている感じが強く出ます。報道では両方使われます。日常語としての perkaraperkara は日常会話でも「〜のこと」という意味で使われます。Soal itu perkara kecil.(それは些細なことだ)/bukan perkara mudah(簡単なことではない)。
bukan perkara mudah は報道文でもよく出る定型です。「容易ではない」という婉曲な言い方。
この文では法律の意味です。dalam perkara timah=スズ事件において。前後に法律の語が並んでいるので迷いません。gelar perkara=事件検討会合。berkas perkara=事件記録。pokok perkara=事件の本案。perkara + 名詞の組み合わせは、司法報道でくり返し出てきます。
主語 → 動詞 → 目的語 → dari → 場所。報道文のいちばん標準的な語順です。18語。
dalam が出たら、そこから先は場面の指定。骨格はもう終わっています。
Majelis kasasi Mahkamah Agung memisahkan kerusakan lingkungan dari kerugian keuangan negara dalam perkara timah di Bangka Belitung.
訳例最高裁判所の上告審合議体は、バンカ・ブリトゥン州のスズ事件において、環境の破壊を国家財政の損失から切り離した。
残りの15文はその説明——誰が(第2文の裁判長)、どういう理屈で(第2〜4文)、誰の事件で(第7〜10文)、数字はどうなったか(第11〜14文)、それで何が変わったか(第15〜16文)。
だから第1文を聞き逃すと、そのあとの15文が何の説明なのか分からなくなります。逆に第1文さえ取れれば、あとは細部です。
聞き取りでいちばん集中すべきは、最初の1文——今日の記事は、その典型です。
Dalam putusan 11179 K/Pid.Sus/2025, majelis pimpinan Prim Haryadi menyatakan bahwa kerusakan lingkungan memiliki rezim hukum tersendiri.
語注putusan(裁判所の判決)と keputusan(決定一般)は使い分けます。Keputusan Menteri=大臣決定。putusan pengadilan=裁判所の判決。
putusan sela=中間判決。putusan bebas=無罪判決。putusan berkekuatan hukum tetap=確定判決。番号の記号を分解する11179=事件番号。K=Kasasi(上告)。Pid.Sus=Pidana Khusus(特別刑事)。2025=年。
Pid(Pidana=刑事)/Pdt(Perdata=民事)/TUN(行政)/Pid.Sus(汚職・麻薬など特別法の刑事事件)。
K が付いていれば上告審、PK なら再審請求(Peninjauan Kembali)です。番号を見ただけで、どの段階の判決か分かります。
聞き取りでは、この番号を正確に取る必要はありません。K が聞こえれば上告審——それで十分です。Dalam putusan …, と文頭に置いて「〜という判決の中で」。報道文で判決を紹介するときの定型です。コンマまでが場所の指定で、そのあとに主語が来ます。
majelis pimpinan X=Xを長とする合議体=Xが裁判長を務める合議体。majelis yang dipimpin X と書いても同じ意味です。報道では短いほうが選ばれます。
ketua majelis=裁判長。hakim anggota=陪席裁判官。名詞を並べて所有関係を作るmajelis pimpinan Prim Haryadi——前置詞も yang もありません。名詞を並べるだけで「〜の」を表しています。
インドネシア語は、名詞を並べれば修飾関係になります。rumah saya(私の家)/Guru Besar Fakultas Kehutanan Institut Pertanian Bogor Bambang Hero Saharjo(第5文——名詞が6つ連続)。
聞き取りでは、名詞の連なりがどこで切れるかが難所になります。人名が出たところが切れ目——これが実用的な目印です。合議体は複数の裁判官で構成されます。上告審では3人または5人が一般的です。裁判長の名前だけが報じられることが多く、その人の判断として語られます。
法律の文脈では「〜と判示する」にあたります。menyatakan terdakwa bersalah=被告人を有罪と認定する。
報道で判決内容を伝えるときの定番動詞です。bahwa の左を先に確定するbahwa=〜ということ。うしろに文が来ます。
耳は bahwa のあとの中身に飛びがちですが、その左にある動詞が、話者の態度を全部背負っています。
menyatakan(述べる・判示する)/menegaskan(強調する・第5文)/mengakui(認める)/membantah(否定する)/menduga(推測する)。中身が同じでも、この1語で意味が変わります。
今日の本文には bahwa が2回出ます。第2文(menyatakan bahwa)と第5文(menegaskan bahwa)。どちらも設問の答えに直結しています。bahwa は省かれることもあります。menyatakan kerusakan lingkungan memiliki … でも通じます。省かれているほうが見落としやすいので注意します。
この文は②です。rezim hukum=法体系・法制度の枠組み。「その分野を規律する法律の一群」という意味。
rezim devisa(外国為替制度)/rezim perdagangan(貿易体制)。専門的な文脈では②と考えて構いません。tersendiri は「独自の」sendiri=自分自身・独りで。tersendiri=独自の・それ自体の。
memiliki ciri tersendiri(独自の特徴を持つ)/punya aturan tersendiri(独自の規則がある)。
rezim hukum tersendiri=環境の損害には、それを扱うための別の法律の枠組みがあるということ。だから汚職の法律で数えるのは筋が違う——これが最高裁の理屈です。
設問1の答えは、ここを自分の言葉に置き換えることです。「別の法体系がある。だから別に請求すべきだ」。日本にも同じ考え方があります。企業が汚職で不当に利益を得たのと、その企業が環境を壊したのとでは、適用する法律も、請求する手続きも違います。同じ事件から生じた被害でも、法律の入口が違えば別々に争う——この判決はその原則を確認したものです。
文頭の Dalam はコンマまでが場面の指定です。主語はそのあと——ここを飛ばして聞けると、文が短くなります。
Dalam putusan 11179 K/Pid.Sus/2025, majelis pimpinan Prim Haryadi menyatakan bahwa kerusakan lingkungan memiliki rezim hukum tersendiri.
訳例11179 K/Pid.Sus/2025 号判決において、プリム・ハルヤディ裁判長の合議体は、環境の破壊には独自の法体系があると判示した。
ただしこれだけで答えると、本文の語をそのまま返しただけになります。自分の言葉に置き換えて、そこに理由の形を与えると、答えが立ちます。
Karena kerusakan lingkungan memiliki karakter dan rezim hukum tersendiri sehingga harus dituntut secara terpisah.——Karena で始めて、sehingga で第4文までつなぐ。2文ぶんの情報を1文にまとめた形です。
短答でも Karena を1語足す——それだけで、答えが「理由の答え」になります。単語だけ返すと、何を聞かれたのかが分かっていないように見えてしまいます。
Hanya kelebihan pembayaran tanpa studi kelayakan memadai yang sah dihitung sebagai kerugian keuangan negara.
語注Hanya dia yang tahu.(知っているのは彼だけだ)/Hanya sebagian yang setuju.(賛成したのは一部だけだ)。
yang がないと「Aだけを、Bする」という別の読みも出てきます。yang は、限定の範囲を固定する装置です。この文が何を排除しているかこの構文は「これだけ」と言うことで、それ以外を排除しています。
排除されているのは環境の破壊です。第1文で切り離し、第2文で理由を述べ、第3文で「では何なら数えられるのか」を示す。
肯定の形で書いてありますが、中身は否定です。「過払いだけ」=「環境の破壊は数えない」。報道文では、この言い換えがよく使われます。hanya の同義語:cuma(口語)/sekadar(〜にすぎない)/semata(〜のみ)/belaka(〜にすぎない・文末)。hanya が最も中立で、報道文の標準です。
2つの意味が対になっています。kelebihan dan kekurangan=長所と短所。kelebihan berat badan=体重超過。
この文は①。kelebihan pembayaran=過払い金。なぜ過払いなら数えられるのか国が本来払うべきでなかったお金が、実際に国庫から出ていったからです。金額がはっきり計算できます。
環境の破壊は「いくらの被害か」を評価によって決めることになります。専門家が算定しますが、算定の方法によって金額が変わりうる。
最高裁が線を引いたのは、この違いです。実際に出ていったお金か、評価によって算定された額か。設問1に答えるときの補助線になります。bayar(払う)→ membayar(支払う)→ pembayaran(支払い)→ dibayarkan(支払われる)。peN-…-an で行為を表す形です。今日の本文には peN-…-an が7語出ます。
studi kelayakan=実現可能性調査(フィージビリティ・スタディ)。その事業をやってよいか、採算や影響を事前に調べる手続きです。
rumah tidak layak huni(居住に適さない住宅)/uji kelayakan(適格性審査)。memadai は「十分な」pada(十分な)→ memadai=足りている・十分である。tidak memadai=不十分な。
fasilitas yang memadai(十分な設備)/anggaran yang tidak memadai(不十分な予算)。
tanpa studi kelayakan memadai=十分な事前調査がないまま。手続きを踏まずに払ったお金だから、過払いとして数えられる——という論理です。
制度の言葉が、そのまま処罰の要件になっています。tanpa=〜なしに。tanpa izin(許可なく)/tanpa studi kelayakan(事前調査なしに)。tanpa のうしろは名詞も動詞も置けます。
anak sah(嫡出子)/pernikahan sah(法律上有効な婚姻)/RUU disahkan(法案が可決された)。
tidak sah=無効な。ilegal(違法な・第9文に出ます)とは少し違い、sah は「法的に有効かどうか」を言います。sebagai は「〜として」sebagai=〜として。dihitung sebagai X=Xとして数えられる。
dianggap sebagai(〜とみなされる)/disebut sebagai(〜と呼ばれる)/berperan sebagai(〜の役割を果たす)。受動+sebagai は報道文の頻出パターンです。
hitung(数える)→ menghitung(計算する)→ dihitung(数えられる)→ perhitungan(計算・第6文)→ hitungan(勘定)。今日の本文には hitung 系が4語出ます。sah dihitung sebagai kerugian keuangan negara=国家財政の損失として数えることが法的に許される。「数えられる」ではなく「数えてよい」——sah が入ることで、可能ではなく適法性の話になっています。
Hanya … yang … という限定構文ひとつでできた文です。15語。Hanya が聞こえたら、yang を待つ——そのあいだが限定される中身です。
Hanya kelebihan pembayaran tanpa studi kelayakan memadai yang sah dihitung sebagai kerugian keuangan negara.
訳例十分な実現可能性調査を経ないままの過払い分だけが、国家財政の損失として計上するのが適法とされる。
排除されているのは環境の破壊。第1文で切り離し、第2文で理由を述べ、この第3文で「では何なら数えるのか」を示す。3文でひとつの論理になっています。
制度の面では、ここに2つの損害の性格の違いが出ています。過払いは実際に国庫から出ていったお金で、金額がはっきり計算できます。環境の破壊は評価によって算定する額で、算定方法によって金額が変わりうる。
最高裁が引いた線は、この違いのところにあります。設問1に答えるとき、この補助線が使えます。
Adapun kerusakan lingkungan harus dituntut secara terpisah.
語注前の話題を閉じて、別の対象に移るときの語です。第3文は「過払いのほう」の話でした。この文は「環境の破壊のほう」——2つを並べて対比しています。
Adapun + 主題 + … が形。Adapun のすぐ後ろには読点を打ちません。対比を作る2文セットHanya A yang …(第3文)→ Adapun B …(第4文)。これで対比が完成します。
「Aだけが数えられる。Bのほうはというと、別に請求せよ」——2文で、最高裁の判断が全部言われています。
この形は制度の説明でよく使われます。「こちらはこう、あちらはこう」と並べるとき、Adapun が2つ目の看板になります。Sementara itu(一方で)でも似た働きをしますが、Adapun のほうが整理の色が強い。今日の本文で話題の切り替えを作る語は3つ——Adapun(第4文)/Jadi(第14文)/Kendati(第15文)。この3語を拾えば、4つの段落の役割が全部分かります。
法律の文脈では「訴えを起こす」「求刑する」。Jaksa menuntut lima tahun.(検察は懲役5年を求刑した)。
この文は受動——誰が請求するかは書かれていません。国が民事で請求するのか、環境法の手続きで求めるのかは、この文の外の話です。harus が入っていることの意味harus=〜しなければならない。wajib(義務がある)/perlu(必要だ)/mesti(〜すべき・口語寄り)。
harus dituntut secara terpisah=「別に請求されなければならない」。できるのではなくそうすべきだと言っています。
裁判所が手続きの筋道を示している形です。「環境の損害は消えたわけではない。ただし入口が違う」——第16文の menunggu penuntutan di jalur hukum yang berbeda(別の法的経路での訴追を待っている)につながります。dituntut(訴追される)と dilaporkan(通報される・第6文)と divonis(判決を言い渡される・第11文)。司法手続きの段階が、動詞に表れます。
secara terpisah(別々に)/secara langsung(直接に)/secara bertahap(段階的に)/secara resmi(公式に)/secara hukum(法的に)/secara administratif(行政上)。
報道文では非常によく出ます。dengan cara(〜という方法で)より短く、書き言葉として締まります。terpisah は第1文の memisahkan と対pisah(分かれる)→ memisahkan(切り離す・第1文)→ terpisah(分離している・この文)。同じ語根が、能動と状態で2回出ています。
第1文で「切り離した」、第4文で「別々に」——最初と4文目で呼応しています。報道文は、大事なことを語根を変えてくり返します。
聞き取りでは、pisah という音が2回聞こえたと気づけると、そこが記事の軸だと分かります。この1文は本文でいちばん短い文(8語)です。段落の締めに短い文を置くのは報道文の定石。第1〜4文でひとつの論理が完結し、第5文から別の話(算定した学者の話)に移ります。
8語。本文でいちばん短い文です。主語と述語だけ、修飾がひとつもありません。
短い文は、段落の結論を担います。第1〜4文の論理は、この1行で完結しています。
Adapun kerusakan lingkungan harus dituntut secara terpisah.
訳例一方、環境の破壊については、別途に請求されなければならない。
第2文=独自の法体系がある(理由)。第4文=だから別に請求すべきだ(帰結)。2文をつなぐと、答えが1文になります。
Karena kerusakan lingkungan memiliki rezim hukum tersendiri sehingga harus dituntut secara terpisah.
ここで大事なのは「環境の損害がなかったことにされた」わけではないという点です。Rp271.07兆という数字は消えていません。ただ、汚職事件の枠では数えないと言っただけ。第16文がそれを確認しています——menunggu penuntutan di jalur hukum yang berbeda(別の法的経路での訴追を待っている)。
「消えた」と「移った」は違う——制度を読むときの、いちばん大事な区別です。
図2 Rp300兆の分かれ方。汚職事件として数える枠に入ったのは10分の1未満でした。
Guru Besar Fakultas Kehutanan Institut Pertanian Bogor Bambang Hero Saharjo, yang menghitung nilai kerusakan itu, menegaskan bahwa angkanya belum mencakup dampak di laut.
語注guru は本来小中高の教員を指し、大学教員は dosen と呼び分けます。Guru Besar だけが例外です。
fakultas=学部。jurusan=学科。prodi(program studi)=専攻。hutan の家族hutan=森。kehutanan=林業・森林に関すること。Fakultas Kehutanan=林学部。Kementerian Kehutanan=林業省。
hutan lindung(保安林)/hutan produksi(生産林)/deforestasi(森林減少)/kebakaran hutan(森林火災)。
ke-…-an で「〜に関する分野」を作る形です。kesehatan(保健)/keuangan(財政)/kehutanan(林業)/kelautan(海洋)。Institut Pertanian Bogor (IPB)=ボゴール農科大学。pertanian=農業(tani=農民)。農林水産系ではインドネシアを代表する国立大学で、森林火災や環境損害の算定にこの大学の研究者が関わることがしばしばあります。
骨格は Guru Besar … Bambang Hero Saharjo … menegaskan bahwa …。コンマからコンマまでを括弧に入れると、主語と述語が並びます。
長い文を聞くときの、いちばん実用的な手です。nilai は「金額」nilai=価値・評価・成績・金額。menilai=評価する。penilaian=評価。bernilai=価値がある。
お金の話の文脈ではまず金額と読みます。nilai kerusakan=損害額。nilai kontrak=契約額。nilai proyek=事業費。
この文ではRp271.07兆という環境損害額を算定したということ。算定したのは裁判所ではなく、この学者です。この人物が設問3の対象です。Menurut Bambang Hero Saharjo と名指しされています。本文には4人出るので、設問を聞いた時点で名前をメモしておくのが確実です。
bersikap tegas(毅然とした態度をとる)/aturan yang tegas(明確な規則)。
menyatakan(述べる・第2文)より強い語です。「あえて言っておくが」という含みがあります。なぜ「強調」なのかこの学者は自分が出した数字について、限界を自分から言っています。「この額には海への影響が入っていない」——つまり本当はもっと大きいという意味です。
算定した本人が「まだ足りない」と言う——だから menegaskan(強調する)が選ばれています。menyatakan では弱すぎる。
そして次の第6文で、その算定自体が問題視され、警察に通報されたと続きます。この2文はセットで読みます。bahwa の左の動詞を拾う癖は、今日2回目です。第2文 menyatakan bahwa/第5文 menegaskan bahwa。どちらも設問の答えに直結しています。
belum mencakup=まだ含んでいない。つまり、これから含まれる可能性がある。tidak mencakup にすると「含まれない」=対象外という意味に転びます。
この差は大きいです。belum だから「本当はもっと大きい」という含みが出ます。訳すときは「まだ」を落とさない。cakup の家族cakup=すくい取る。mencakup=含む・カバーする。tercakup=含まれている。cakupan=範囲・カバー率。
cakupan layanan(サービス提供範囲)/cakupan vaksinasi(接種率)/mencakup seluruh wilayah(全域をカバーする)。
設問3は tercakup を使っています——faktor apa yang belum tercakup(まだ含まれていない要素は何か)。本文は mencakup(能動)、設問は tercakup(受動)。同じ語根を、態を変えて聞いています。答えるときも本文の belum をそのまま使うと精度が上がります。Dampak di laut belum tercakup dalam perhitungan tersebut.——tidak にすると原文とずれます。
dampak lingkungan(環境影響)/Analisis Mengenai Dampak Lingkungan (Amdal)=環境影響評価。warga terdampak(被災住民)。
pengaruh(影響)とほぼ同義ですが、dampak のほうが「衝撃・結果としての影響」の色が濃く、環境や災害の記事でよく使われます。なぜ海が問題になるのかバンカ・ブリトゥンのスズ採掘は陸地だけでなく、沿岸の海底でも行われています。海底の砂を吸い上げてスズを選別する方法です。
そのため海底が掘り返され、濁りが広がり、サンゴ礁や漁場に影響が及ぶことが指摘されてきました。
陸の森林被害は面積で測れますが、海の被害は範囲も回復にかかる年数も測りにくい。だから算定に入っていない——この学者が「まだ」と言った理由がここにあります。di laut の di を落とさないでください。dampak laut だと「海の影響」=海が何かに与える影響とも読めてしまいます。dampak di laut=海において生じた影響。前置詞1つで、方向が変わります。
主語だけで9語。役職 → 学部 → 大学 → 氏名と名詞が続きます。人名が出たところが主語の終わり——これが切れ目の目印です。
設問3に単語だけで返してしまう。「dampak laut」のような形です。内容は合っていますが、2つ足りません。
ひとつは前置詞 di。dampak di laut(海において生じた影響)と dampak laut(海の影響)では方向が変わります。本文の形をそのまま写すのが安全です。
もうひとつは文の形。Dampak di laut belum tercakup dalam perhitungan tersebut. と主語と述語を立てるだけで、「本文のどこから取ったか」が伝わります。単語だけだと、たまたま当たったのか読んで答えたのかが区別できません。
belum を tidak に置き換えてしまう。本文は belum mencakup(まだ含んでいない)です。
tidak にすると「含まれない」=対象外という意味になり、「本当はもっと大きい」という含みが消えます。この学者は、自分の数字がまだ不完全だと言っているのであって、海は関係ないと言っているのではありません。
本文の語をそのまま写し取る——短答では、これがいちばん精度の高い方法です。
Guru Besar Fakultas Kehutanan Institut Pertanian Bogor Bambang Hero Saharjo, yang menghitung nilai kerusakan itu, menegaskan bahwa angkanya belum mencakup dampak di laut.
訳例その損害額を算定したボゴール農科大学林学部のバンバン・ヘロ・サハルジョ教授は、その数字には海への影響がまだ含まれていないと強調した。
Guru Besar(教授)→ Fakultas Kehutanan(林学部)→ Institut Pertanian Bogor(ボゴール農科大学)→ Bambang Hero Saharjo(氏名)。役職から大きい順に並んで、最後に名前が来ます。
聞くときは「人名が出たら、主語はそこで終わり」と思ってください。そのあとコンマの挿入をひとつまたいで、menegaskan が来ます。
そして設問3は名前を名指ししています。Menurut Bambang Hero Saharjo。本文には4人出るので、設問を聞いた時点で名前をメモしておく——「バンバン」と4文字書くだけで十分です。
Perhitungannya sempat dipersoalkan hingga ia dilaporkan ke kepolisian.
語注per-…-an で行為やその結果を表します。perhitungan kerugian=損害額の算定。
今日の本文には hitung 系が4語出ます——dihitung(第3文)/menghitung(第5文)/perhitungannya(この文)/設問の perhitungan。1つの語根が記事の軸になっています。-nya が指しているもの-nya=その。Perhitungannya=その(=バンバン教授の)算定は。前の文の主語を受けています。
報道文では、-nya で前の文とつなぐことが非常に多くあります。angkanya(第5文・その数字)も同じ形。
-nya が出たら「いま何を指した?」と一瞬考える——これを飛ばすと、文と文のつながりが切れます。今日の本文には -nya が6回出ます。perhitungan(計算・算定)と perhitungannya(その算定)。-nya が付くだけで、特定のものを指すようになります。訳では「その」を入れると、つながりが見えます。
②一時期〜した・〜したことがある:Ia sempat dirawat di rumah sakit.(一時入院した)/sempat viral(一時話題になった)。
この文は②です。sempat dipersoalkan=一時期、問題視された。なぜ sempat が入るのかsempat には「その状態が続いていない」という含みがあります。一時そうだったが、いまは違う(または落ち着いた)。
この文では「算定が問題視され、警察に通報されるところまでいった」という経緯を、過ぎたこととして述べています。
sempat を落とすと、いまも問題視され続けているように読めます。1語で、時間の位置が変わります。同じ働きの語:pernah(〜したことがある・経験)/sempat(一時〜した・短期間)/masih(なお〜のまま・継続)。3語で時間の幅を言い分けます。
memper-…-kan は「〜として扱う」を作る形です。mempermasalahkan もほぼ同義。
dipertanyakan(疑問視される)とも近い語です。誰が問題視したのかは書かれていない受動なので、行為者が省かれています。誰が問題視したのかは、この文からは分かりません。
報道文では、あえて行為者を書かないことがあります。特定が難しい場合、あるいは特定すると別の争いになる場合です。
読むときは「誰が」が空欄のままだと意識しておく。空欄を勝手に埋めないのが、正確な読み方です。ia dilaporkan ke kepolisian=彼は警察に通報された。lapor(報告する)→ melaporkan(通報する)→ dilaporkan(通報される)→ laporan(報告・通報)。ke kepolisian=警察へ。polisi(警察官)/kepolisian(警察機構)——ke-…-an が組織全体を指します。
②結果:〜するほどに・〜するまでに至る。Ia bekerja hingga larut malam.(深夜まで働いた)/hingga tak sanggup berdiri(立てないほどに)。
この文は②です。問題視された結果、警察通報にまで至った。程度の大きさを示しています。この1文が置かれている意味第5文は「算定額はまだ不完全だ」という学者の言葉でした。この第6文は「その算定自体が攻撃された」という話です。
2文がセットで、算定という作業の難しさを示しています。数字を出した人が、その数字ゆえに通報される——環境損害の算定が、法廷の外でも争われているということです。
この背景があるので、最高裁が「環境の損害は別の枠で」と判断したことの重みが変わってきます。設問には出ませんが、記事の温度を作っている1文です。sampai も同じ働きをします。hingga のほうが書き言葉。会話では sampai が普通です。
8語。本文でいちばん短い文のひとつです。短いのに、情報の密度が高い——sempat(一時)と hingga(〜まで至る)の2語が、時間と程度の両方を担っています。
Perhitungannya sempat dipersoalkan hingga ia dilaporkan ke kepolisian.
訳例その算定は一時期問題視され、彼が警察に通報されるまでに至った。
第5文で「この数字にはまだ海が入っていない」と言い、第6文で「その数字を出したことで通報された」と続く。環境の損害を金額にする作業が、それ自体で争いになっているということが、2文で示されます。
そう読むと、最高裁の判断の重みが変わって見えます。「別の法体系で扱え」という判断は、算定の是非を汚職裁判の中で争うことをやめさせたとも読めるからです。
聞き取りの練習としては、設問に出ない文をどう扱うかの練習になります。力を抜いて聞いていい場所ですが、設問5で自分の意見を述べるときの材料にはなります。設問1〜4に出ない文は、設問5の在庫——そう考えると、聞く価値が変わります。
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第7文以降の逐語解説と、設問1〜4の答えあわせをまとめて収録しています。あわせて収録しているのは次の内容です。
- 設問2は推論——共通点は本文に「共通点は」と書かれていません。Keduanya で始まる2文を自分でつなぎます
- 6,5年 → 20年 → 20年。刑がどう動いたか、そしてなぜ最高裁で変わらなかったのか(図5)
- 国家財政の損失と環境の損害は、そもそも入口の法律が違う——制度の見取り図(図3)
- 4人の登場人物と、それぞれの立場(図4)
- 短答でも、Karena / Persamaannya / Selisihnya を1語足す——それだけで答えが変わります(図7)
- 設問1〜4の解答例、よくあるつまずき、設問5の解答例と日本語訳、復習語彙12












