
学習そのものを、作り直した。
JAPANESIAのインドネシア語学習アプリを正式にリリースしました。この記事で書きたいのは「アプリができました」ではなく、「なぜこの設計にしたのか」です。

ありがたいことに公開直後からたくさんの方に使っていただき、公開4日目には日本のApp Storeで「インドネシア語」と検索したときに1位になりました。
でも、この記事で書きたいのは「アプリができました」という話ではありません。なぜ、今までジャパネシアで作ってきた教材をそのままアプリに入れなかったのか。なぜ「観る → 解く → 覚える → 書く → 話す」という、ちょっと面倒そうな流れにしたのか。そして、なぜ普通の教材ではなく、ジャカルタを舞台にしたストーリー形式にしたのか。
そこには、僕自身がインドネシア語を勉強してきた中で何度も感じたことと、長年ジャパネシアの学習者を見てきて気づいたことがあります。
リリース前から使ってくださっていた方に「なんでここまで学習者が止まるところが分かるんですか?」と言われたことがありました。でも、当てているわけではありません。全部、僕自身と、これまでジャパネシアで学んできた人たちが実際に止まってきた場所です。


- 観る
- 理解する
- 単語・表現を覚える
- ディクテーション
- 文法・表現を理解する
- 話す
「教材をアプリにする」を、最初にやめた
企画の最初は、僕も「ジャパネシアの教材をスマホで使えるようにすればいい」と思っていました。ジャパネシアには、何年分もの会話教材、文法解説、単語、練習問題があります。それを整理してアプリに入れれば、それなりに立派な学習アプリは作れます。
でも、途中でやめました。理由は単純です。教材が足りないことが、学習が止まる一番の原因ではなかったからです。サイトを見ていると、ずっとこういうことが起きていました。
これは教材の質だけの問題ではありません。動画を見て「なるほど」。文法を読んで「分かった」。そこで勉強が終わってしまう。でも、語学では「分かった」と「使える」の間がものすごく長い。だからアプリで作りたかったのは教材そのものではなく、「分かった」で終わらず、次の練習まで自然に進む流れでした。
「分かった」で終われない工程を、1話の中に入れた
JAPANESIAアプリでは、1つのストーリーをこの順番で学びます。


こうやって並べると「結構やらせるな、このアプリ」と思うかもしれません。実際、テストしてくれた人にも「全部やらせるじゃん(笑)」と言われました。でも、この順番にはそれぞれ理由があります。
動画を見るだけなら楽です。字幕を見れば意味も分かるし、「今日は勉強したな」という気にもなる。でも、本当に聞き取れていたかは別。だから動画のあとには、必ず内容を確認します。
クイズなら「多分これだな」で当たることがあります。でも、ディクテーションではごまかせない。音を聞いて自分で文字にして初めて、「知っていたのに聞こえなかった」が見えてきます。
普通の教材は、まず文法を説明してから問題を解きます。JAPANESIAは逆。まず聞く、一度考える、少し迷う。そのあとで解説を見たほうが「あ、さっきのあれか」となりやすいからです。
日本人の学習者に一番多いのが「聞けば分かる。でも自分から言えない」。僕自身も何度も経験しました。だから最後は必ず声を出す工程で終わります。完璧じゃなくていい。まず一回、自分の口から出す。
「今日は何を勉強しよう」をなくしたかった
語学が続かない理由は「勉強が嫌いだから」だけではないと思っています。むしろ、今日は単語をやる? 文法? YouTube? 復習? 新しい教材? と考えているうちに疲れることがある。僕自身もそうです。
だからJAPANESIAでは、なるべく迷わせないようにしました。アプリを開く。今日の話を見る。上から順番にやる。終わる。基本的にはそれだけです。「何を勉強するか」を決める仕事を、できるだけアプリ側に持たせたかった。学習者が決めるのは「今日やるかどうか」くらいでいいと思っています。
なぜストーリー形式なのか
これはかなり早い段階から決めていました。語学で難しいのは、今日3時間勉強することより、明日もう一度開くことだからです。僕の場合「勉強しなきゃ」だけでは、なかなか長く続きません。
ドラマを1話見たあとに次の話を見たくなる。漫画を読んだあとに次の巻を開きたくなる。その力を、そのまま語学学習に使えないかと思いました。主人公のさやかがジャカルタへ来る。大家のスリさんと出会う。同期のケンと仲良くなる。キムが恋愛で暴走する。タクシーに乗る。ワルンでご飯を食べる。猫を助ける。そうやって話が進む中に、学んでほしいインドネシア語を入れています。



単語だけで覚えない。場面ごと覚える。
キャラクターにも、それぞれ性格を持たせました。これも学習と関係があります。例えば「Khilaf=魔が差す」と単語帳で覚えるより、「キムがあの場面で言ってた Khilaf」のほうが思い出しやすい。単語だけではなく、誰が、どんな場面で、どんな気持ちで使ったかまで一緒に覚えてほしかったんです。
主人公
コスの大家
同期
恋に一直線
若者言葉に詳しい
クラスの人気者
「教科書ではこう言う」だけでは足りなかった
JAPANESIAの会話には、かなり自然なインドネシア語を入れています。「そりゃそうだよ・確かに」の Memang、「魔が差した」の Khilaf、「口ばっかり・うるさい」の Bacot のような表現です。もちろん基本的な文法や語彙も扱います。でも、それだけでは現地で困る。タクシーに乗った時、友達と話した時、お店で何か聞いた時。実際には、教科書通りの文章だけが飛んでくるわけではありません。
だから、「正しいインドネシア語」だけではなく「実際に聞くインドネシア語」も学べるようにしたいと思いました。
作り方も少し変わっています。まず「この表現を覚えてほしい」という言葉を決める。そのあと「この言葉って、どんな場面なら自然に出るだろう?」と考えてストーリーを書きます。つまり「教材 → ストーリー」ではなく、「使う場面 → ストーリー → 学習」という順番です。だから単語が、単語帳の中だけで終わりにくくなります。ここは僕の担当で、開発の中で一番頭を悩ませた部分です。
聞き取り練習だからこそ、自然な音にしたかった
ディクテーションやスピーキングまでやる以上、音声も大事です。教科書用にゆっくり、はっきり読まれた音声だけを聞いていると、実際にインドネシア人と話した時に「知ってる単語なのに聞こえない」が起きます。省略されたり、少し早かったり、イントネーションが違ったり。だからアプリでも、できるだけ自然な会話速度や口語表現に近づけています。最近は都市部で英語なまりのインドネシア語を話す人も増えているので、それも意識して、あえてなまらせている箇所もあります。できる限り「本当に聞こえてくる音」に寄せました。
最初は難しく感じるかもしれません。でも、聞こえなかった → もう一回聞く → 意味を見る → また聞く。これを安全に繰り返せるのが、アプリの良さだと思っています。
ただ、アプリだけではできない練習もある
ここは、作った側としてちゃんと書いておきたいです。JAPANESIAアプリでは、聞く・覚える・書く・自分で話す、ところまではかなり練習できます。でも、自分が何か言う → 相手が予想していなかったことを返してくる → その場で考えて返す。これは、アプリだけでは完全には練習できません。実際の会話って、ここが難しいんですよね。
アプリで覚える。人と話して、使ってみる。
アプリでは「自分で言える」まで。人とのレッスンでは、その先の「会話として返せる」まで。この2つを組み合わせると、勉強したインドネシア語が実際の会話につながりやすくなります。だから、JLC会員はJAPANESIAアプリのプレミアム機能を追加料金なしで使えるようにしました。アプリで覚えて、ライブ授業で話す。またアプリに戻って復習する。そんな使い方をしてもらえたらと思っています。
→ JLC(Japanesia Live College)について詳しく見る / JAPANESIA YUK(マンツーマン)
検定を目指す人にも
JAPANESIAアプリは会話中心ですが、単語・文法・リスニング・ディクテーションなど、検定にもつながる基礎力を一緒に鍛えられます。
ただ、検定B級・A級など、より専門的な試験対策が必要な段階になったら、JLCの検定対策やジャパネシアの上級問題を使ったほうが効率的です。会話だけ、検定だけ、ではなく、実際に使えるインドネシア語を身につけながら、必要なら検定にもつなげる。そんな学び方ができればと思っています。
このアプリが合いやすい人
✓一度使ってみてほしい人
- インドネシア語を何度か始めたけど続かなかった
- 教材を買って満足してしまったことがある
- 文法は分かるのに、会話になると言葉が出ない
- 単語を覚えているのに聞き取れない
- 毎日何を勉強すればいいか迷う
- インドネシアで実際に使われる表現を覚えたい
最後に
「教材をアプリに入れるだけなら、もっと早く作れたな」。開発中、何度も思いました。でも、それではサイトで起きていたことと同じです。読む。分かる。終わる。それを変えたかった。だから、観る・解く・覚える・書く・話す、までを1本につなげました。
7日間は無料で試せます。まず1話だけでいいので、最初の「観る」から最後の「話す」まで、一度通してみてください。合わなければ、それで大丈夫です。逆に「もう1話やってみようかな」と思ってもらえたら、このアプリはたぶん合っています。
JAPANESIAアプリ
ストーリーで身につく、生きたインドネシア語。
1日1話。観る・解く・覚える・書く・話すを、ひとつの流れで。
アプリの詳細・ダウンロードはこちら → 7日間無料で試せます。期間中の解約なら料金はかかりません。









