聞き取れているのに、答える箱をまちがえる。総数と増分、どちらを聞かれているのか
インドネシアの大学生向け給付奨学金KIP Kuliahが、2026年度から対象を広げました。これまで外れていた「貧困に陥りやすい層」(desil 3・4)まで入ります。
予算も増えました。Rp14,95 triliun → Rp15,32 triliun。3700億ルピアの上乗せです。
ところが受給者はほとんど増えていません。2300人、率にして0,25パーセント未満。増えた予算は単価の上昇を埋めるほうに回った——記事はそう書いています。
今日の急所は数字の役割です。1.047.221(総数)と2.300(増分)。どちらも本文に出ます。そして、それぞれ別の設問の答えです。聞き取れていても、入れる箱をまちがえると両方外れます。
今日のねらい:数字を「どの段落の、何の数字か」とセットで持つ
4段落構成で、文の数は4・4・3・2。第1段落が予算と人数、第2段落が誰が対象で、何がもらえるか、第3段落が増えていないという指摘、第4段落が申し込み方です。
この記事には数字が6つ出ます。Rp15,32 triliun/1.047.221/200.000/Rp14,95 triliun/2.300/0,25 persen。1文あたり0.5個——かなり多いほうです。
そして数字の書き方が日本と逆です。点(.)が桁区切り、コンマ(,)が小数点。1.047.221 は104万7221、Rp15,32 triliun は15.32兆ルピア。この記事は、点とコンマが両方出ます——読み分けの練習にちょうどいい素材です。
いちばん大事なのは1.047.221と2.300の区別です。前者が2026年の受給者の総数、後者が前年からの増分。設問1が総数、設問4が増分を聞いています。どちらも「人数」なので、聞いた順に手前から当てはめると、ふたつとも外れます。
もうひとつ、ter- の受動が今日は多い。terdaftar/tergolong/terdiri atas/tercermin/terjangkau/terakreditasi——6つ出ます。どれも「そういう状態になっている」という形で、行為者を書かずに済ませるための道具です。
音声に入る前に、聞くときの構えだけ確かめておきます。内容には触れません。
① 数字が聞こえたら、直後の名詞まで一組で拾う。1.047.221 mahasiswa(学生)/200.000 orang(人)/2.300 orang(人)/Rp15,32 triliun(ルピア)。単位が同じでも、指しているものが違います。「何人か」だけでなく「何の人数か」までをひと組にするのが、今日の要です。
② 点は桁区切り、コンマは小数点。日本と逆です。1.047.221=104万7221/15,32=15.32/0,25=0.25。この記事は両方出るので、いったん混ざるとどちらも読めなくなります。
③ 段落の頭の接続詞に耳を澄ます。Adapun(さて・一方)=第2段落の頭/Meskipun demikian(とはいえ)=第3段落の頭。どちらも「ここから話が変わる」という合図です。段落の切れ目が分かれば、答えの在処も絞れます。
④ 略語は2つ。どちらも直後に説明が来る。Kartu Indonesia Pintar (KIP)とData Tunggal Sosial Ekonomi Nasional。長い正式名称が聞こえたら、そのあとにカッコで略称が来ると待ち構えます。
⑤ ter- が聞こえたら「そうなっている状態」。terdaftar(登録されている)/tergolong(分類される)/terdiri atas(〜から成る)/tercermin(反映されている)/terjangkau(手が届く)/terakreditasi(認定を受けている)。誰がやったかを言わずに、結果だけを述べる形です。
音声:PERLUASAN KIP KULIAH HINGGA DESIL EMPAT
原文はまだ見ないでください。音声だけで、次の5問に答えてみます。設問1〜4は本文に答えの一語がある問い、設問5は自分の意見です。
Berapa jumlah sasaran penerima KIP Kuliah pada tahun 2026?
Bantuan apa saja yang diterima mahasiswa melalui program tersebut?
Kelompok apa saja yang menjadi prioritas penerima KIP Kuliah mulai tahun ini?
Apa akibat kenaikan anggaran tersebut terhadap jumlah penerima pada tahun 2026?
Apakah memperluas sasaran beasiswa tanpa menambah jumlah penerima secara berarti adalah kebijakan yang bijaksana? Jelaskan pendapat Anda dalam waktu 2 menit!
ここで初めて文字を見ます。聞き取れなかった箇所に印をつけながら読んでください。
PERLUASAN KIP KULIAH HINGGA DESIL EMPAT
KIP Kuliah の対象、第4十分位まで拡大
Menteri Pendidikan Tinggi, Sains, dan Teknologi Brian Yuliarto mengumumkan kelanjutan program Kartu Indonesia Pintar (KIP) Kuliah di Jakarta pada Februari 2026. Dia berkata bahwa anggaran yang disediakan negara untuk program tersebut pada tahun ini mencapai Rp15,32 triliun. Dana sebesar itu dipatok untuk membiayai 1.047.221 mahasiswa, baik penerima lama maupun mahasiswa yang baru diterima. Brian menekankan bahwa kuota nasional bagi mahasiswa baru dipertahankan pada angka minimal 200.000 orang setiap tahun.
Adapun sasaran penerima diperluas mulai tahun ini. Prioritas diberikan kepada lulusan sekolah menengah yang pernah menerima Program Indonesia Pintar serta kepada keluarga yang terdaftar dalam Data Tunggal Sosial Ekonomi Nasional pada kelompok desil satu hingga desil empat. Dengan demikian, kelompok rentan miskin yang sebelumnya dikecualikan kini tergolong sebagai calon penerima. Bantuan yang disalurkan terdiri atas biaya pendidikan yang dibayarkan langsung kepada perguruan tinggi dan biaya hidup bulanan yang besarannya mengikuti klaster wilayah tempat kampus berada.
Meskipun demikian, kenaikan anggaran itu belum tercermin pada jumlah penerima. Pada tahun 2025 anggaran program yang sama tercatat Rp14,95 triliun, sedangkan pertambahan sasaran pada tahun ini sekadar 2.300 orang atau kurang dari 0,25 persen. Tambahan dana tersebut lebih banyak menutup kenaikan biaya satuan daripada membuka pintu bagi mahasiswa yang selama ini tidak terjangkau oleh bangku perguruan tinggi.
Pendaftaran dibuka melalui jalur seleksi nasional maupun jalur mandiri. Perguruan tinggi negeri dan perguruan tinggi swasta yang terakreditasi sama-sama dapat menampung penerima bantuan tersebut.
Disadur dari situs Kemdiktisaintek
先に数字だけ片づけておきます。この記事には数字が6つ出ますが、設問が聞くのは2つだけ。しかもその2つは、どちらも「人数」です。
図1 6つの数字とその役割。色をつけた2行だけが設問の答えです。
PERLUASAN KIP KULIAH HINGGA DESIL EMPAT
語注luas wilayah(面積)/wawasan luas(広い見識)/memperluas jaringan(人脈を広げる)。memper- は「もっと〜にする」memper- + 形容詞で「もっとそうする」を作ります。memperluas(広げる)/memperbaiki(よくする=直す)/mempercepat(速める)/memperkuat(強める)/memperjelas(はっきりさせる)。
本文では第5文に diperluas(広げられた)で出ます。見出しの名詞が、本文で動詞に変わる——報道文のふつうの作りです。この見出しには動詞がありません。PERLUASAN(拡大)+ KIP KULIAH(何の)+ HINGGA DESIL EMPAT(どこまで)——名詞句だけの見出しです。「何が起きたか」ではなく「何の話か」だけを示している形。
KIP は高校までの就学支援カードで、KIP Kuliah はその大学版です。kuliah=大学の授業・大学に通うこと(kuliah di UI=インドネシア大学に通う)。似た名前の制度が並びますPIP(Program Indonesia Pintar)=高校までの就学支援/KIP=その受給カード/KIP Kuliah=大学生向けの給付奨学金。
第6文に PIP が出ます——「高校時代に PIP をもらっていた人を優先する」という話。制度が段階でつながっているわけです。名前が似ているので、聞き取りでは混ざりやすいところ。beasiswa(奨学金)という語も使えます。設問5が beasiswa という語を使っています。本文には beasiswa は出ませんが、意見を述べるときはこの語で受けて構いません。
ラテン語 decem(10)から。desimal(小数)/Desember(もとは10番目の月)と同じ根っこです。1〜2 から 1〜4 へインドネシアの社会保障はdesil 1・2(下から2割)を最優先の対象としてきました。今回それを desil 4 まで広げた——それが見出しの意味です。
desil 3・4 は「いま貧困線の下ではないが、何かあればすぐ落ちる層」。本文のkelompok rentan miskin(貧困に陥りやすい層/第7文)がこれにあたります。見出しの数字が、第7文で言葉に言い直されている——記事の作りとして、きれいな対応です。hingga=〜まで。sampai(〜まで)とほぼ同義で、hingga のほうが書き言葉寄りです。sehingga(その結果)も同じ語根から。
PERLUASAN(何が)+KIP KULIAH(何の)+HINGGA DESIL EMPAT(どこまで)。名詞だけで組み立てた見出しで、動詞も主語もありません。
「拡大した」とは言っていないのがポイントです。「拡大」という出来事の名前だけを置いている。誰が広げたのか、いつ広げたのかは、本文で来ると身構えます。
PERLUASAN KIP KULIAH HINGGA DESIL EMPAT
訳例KIP Kuliah の対象、第4十分位まで拡大
日本語で言えば「年収の下から4割まで」くらいの感覚。「所得下位◯割」という言い方が、そのまま制度の線引きになっている社会です。
見出しの語が本文のどこで言い直されるかを追うと、記事の骨格が見えます。今日は desil 1〜4(第6文)と rentan miskin(第7文)の2か所です。
Menteri Pendidikan Tinggi, Sains, dan Teknologi Brian Yuliarto mengumumkan kelanjutan program Kartu Indonesia Pintar (KIP) Kuliah di Jakarta pada Februari 2026.
語注didik(教育する)→ pendidikan(教育)/pendidik(教育者)/peserta didik(児童生徒)。tinggi(高い)+pendidikan で高等教育=大学以上です。略称は Kemdiktisaintekインドネシアの省庁は頭の音を切り貼りして略します。Kem(enterian)+ Dikti(Pendidikan Tinggi)+ Sain(s)+ tek(nologi)=Kemdiktisaintek。
同じ作り:Kemenkeu(財務省)/Kemenlu(外務省)/Kemendagri(内務省)/Kemenkes(保健省)。本文の最後、出典表記にこの略称が出ています。2024年に高等教育が単独の省として分かれた——それ以前はKemendikbudristek(教育文化研究技術省)という、もっと長い名前の一部でした。制度が変われば省名も変わるので、ニュースを読むときは省名を手がかりに年代が推測できます。
制度の発表にはmengumumkan が定番です。この記事には「言う」系の動詞が3つ出ます:mengumumkan(第1文)/berkata(第2文)/menekankan(第4文)。だんだん力がこもっていく順に並んでいます。menekankan が出た文には、話し手がいちばん言いたいことが入る——聞き取りの目印になります。
melanjutkan kuliah(大学に進む)/usia lanjut(高齢)/sekolah lanjutan(上級学校)。ke-…-an は「そのこと」ke- + 語根 + -an は「その状態・そのこと」を作る型です。この記事だけで5つ:kelanjutan(継続)/kenaikan(上昇)/keluarga(家族・語源的に)/kelompok(グループ)ではなくkekhawatiran——実際にはkelanjutan/kenaikan/ketentuan系の作りに注目します。
動詞から名詞を作る型を覚えておくと、聞いたことのない語でも意味が立ち上がります。mengumumkan kelanjutan program=「制度が続くことを発表した」。新設ではなく継続です。だからこそ「前年と比べてどうか」が第3段落の話題になります。第1文のこの一語が、記事全体の構えを決めています。
インドネシアの社会政策は「カード」で配られることが多く、名前に kartu が入ります:Kartu Indonesia Sehat(健康保険カード)/Kartu Prakerja(職業訓練カード)。略称の出し方正式名称 →(カッコ)→ 略称という順で出ます。Kartu Indonesia Pintar (KIP) Kuliah——カッコが途中に入るのがこの文の特徴で、聞き取りだと切れ目が取りにくいところです。
長い固有名詞が聞こえたら、そのあとに略称が来ると待ち構えます。この記事には略称つきの固有名詞が2つ(もうひとつは第6文の DTSEN)。設問はこの名前を聞いてきません。制度名は、聞き取れなくても答えに影響しないことが多い。固有名詞に気を取られて、直後の数字を落とさないほうが大事です。
di は場所(di Jakarta)。この文には両方出ます——di Jakarta pada Februari 2026(ジャカルタで、2026年2月に)。日付の書き方インドネシア語は日 → 月 → 年の順。2 September 2026/pada 13 Juli 2026。月名は英語に近いので聞き取りやすい:Januari/Februari/Maret/April/Mei/Juni/Juli/Agustus/September/Oktober/November/Desember。
この文は日を言わず、月と年だけ。「いつ」がぼかされている——制度の話であって、事件の話ではないからです。tahun ini(今年)は第2文・第5文・第10文に3回出ます。第1文で「2026年2月」と決めたので、以降は「今年」で受けられる——最初に時点を置いておく、報道文の型です。
Menteri … Brian Yuliarto(主語)+mengumumkan(動詞)+kelanjutan program KIP Kuliah(目的語)+di Jakarta(どこで)+pada Februari 2026(いつ)。
主語がとても長いのが特徴です。肩書が3分野ぶんあるので、Brian Yuliarto という名前にたどり着くまでに8語かかります。「Menteri … 」で始まったら、名前が出るまで待つ——これだけで文の頭が整理できます。
Menteri Pendidikan Tinggi, Sains, dan Teknologi Brian Yuliarto mengumumkan kelanjutan program Kartu Indonesia Pintar (KIP) Kuliah di Jakarta pada Februari 2026.
訳例高等教育・科学技術大臣のブリアン・ユリアルト氏は2026年2月、ジャカルタで、KIP Kuliah(インドネシア賢者カード大学版)の継続を発表した。
報道文の第1文は「いつ・どこで・誰が」を置く場所。中身は第2文から始まります。長い肩書に気を取られて疲れないこと——ここは流していい文です。
Dia berkata bahwa anggaran yang disediakan negara untuk program tersebut pada tahun ini mencapai Rp15,32 triliun.
語注この記事には bahwa が2回:第2文(Dia berkata bahwa …)と第4文(Brian menekankan bahwa …)。どちらも大臣の発言の合図です。bahwa が聞こえたら、そのあとが発言の中身——聞き取りの区切りとして、とても使えます。Dia が指すのは第1文の Brian Yuliarto。第4文で名前が Brian に戻ります。「Dia → 名前 → Dia」と交互に出るのは報道文の癖で、指す先を見失わないようにします。
APBN(Anggaran Pendapatan dan Belanja Negara=国家予算)はインドネシアのニュースに毎日出る略語です。行為者が oleh なしで来るdisediakan negara=「国によって用意された」。sedia(用意がある)→ menyediakan(用意する)/disediakan(用意される)/tersedia(用意されている)/persediaan(在庫)。
di- 動詞の直後に名詞が来たら、それが行為者です。oleh は省かれるほうがふつう——disediakan oleh negara でも同じ意味ですが、報道文では oleh を落とします。yang が受けているのはanggaran(予算)です。「国が用意した予算が、〜に達する」——yang 節を飛ばして読むと、主語と述語がつながります。長い文は yang をカッコに入れて読むのがこつ。
mencapai kesepakatan(合意に達する)/mencapai target(目標に届く)。数量と組むと「〜に達する」mencapai Rp15,32 triliun=15.32兆ルピアに達する。報道文で金額や人数を言うときの定番動詞です。
仲間:berjumlah(〜の数である)/tercatat(〜と記録される・第10文)/menembus(〜を突破する)/naik menjadi(〜に増える)。mencapai は「積み上がってそこまで来た」という手ざわり。第10文では同じことを tercatat(記録された)で言っています。今年は mencapai、前年は tercatat——動詞を変えることで、現在と過去を書き分けているわけです。
点(.)が桁区切り、コンマ(,)が小数点——日本と逆です。この記事は 1.047.221(点)と 15,32(コンマ)が両方出るので、読み分けの練習にちょうどいい。単位の階段ribu(千)<juta(百万)<miliar(十億)<triliun(兆)。Rp はrupiah の略で、数字の前に空白なしでつけます(Rp15,32 triliun)。
日本円にすると、おおよそ1400億円ほど(レートは変動します)。本文には円換算は出てきませんので、答えるときも変換しないでおきます。設問はこの金額を聞いていません。設問が聞くのは人数のほうです。金額は目立つので身構えてしまいますが、今日は聞かれません——そういう数字もある、と知っておくと落ち着きます。
Dia(主語)+berkata bahwa(動詞+接続詞)+【anggaran(主語)+yang disediakan negara untuk program tersebut pada tahun ini(その予算の説明)+mencapai Rp15,32 triliun(述語)】。
bahwa の後ろが、もうひとつの完全な文です。そのなかで yang 節が主語を長く引き延ばしている——2重の入れ子。bahwa で一度、yang でもう一度、息を切ると耳でも追えます。
Dia berkata bahwa anggaran yang disediakan negara untuk program tersebut pada tahun ini mencapai Rp15,32 triliun.
訳例同氏は、今年この制度に国が用意した予算は15.32兆ルピアに達すると述べた。
この記事にはtersebut が4回出ます(第2文・第10文・第13文ほか)。毎回「何を指しているか」を確かめる——遠回りに見えて、いちばん確実な読み方です。指示語を放置すると、あとで文がつながらなくなります。
Dana sebesar itu dipatok untuk membiayai 1.047.221 mahasiswa, baik penerima lama maupun mahasiswa yang baru diterima.
語注anggaran(予算=計画された枠)とdana(資金=実際のお金)は近いですが、anggaran のほうが「制度としての枠」という含みです。se- + 形容詞 = 「〜と同じだけの」sebesar=〜の大きさの・〜の額の。besar(大きい)+se-。
仲間:sebanyak(〜だけの数の)/sepanjang(〜の長さの)/setinggi(〜の高さの)/seluas(〜の広さの)。数量の前に置く定型です。
sebesar itu=「それだけの額の」。itu が指すのは第2文の Rp15,32 triliun。金額を繰り返さずに受け直す言い方です。besaran(金額・大きさ)という名詞もあります。第8文に出ます(biaya hidup bulanan yang besarannya …)。同じ語根が形を変えて2回——この記事の設計です。
mematok harga(値段を設定する)/mematok target(目標を掲げる)/sebagai patokan(目安として)。「動かさない」という含み杭を地面に打ち込む——「ここまでと決めて、動かさない」という手ざわりの語です。menetapkan(定める)より具体的で、口語寄り。数値の枠を言うときの定番です。
dipatok untuk membiayai …=「〜を賄うための額として定められている」。untuk が目的を導きます。受動なのに行為者が書かれていません。誰が定めたのかは国(第2文の negara)ですが、本文は言っていないので、答えに足さないほうが安全です。
この記事には biaya が4回:membiayai(第3文)/biaya pendidikan・biaya hidup(第8文)/biaya satuan(第11文)。記事の背骨になる語です。-i は「対象を直接とる」membiayai + 人/事業=その人・事業の費用をみる。-i が付くと「対象そのものを目的語にする」形になります。
membiayai anak sekolah(子どもの学費を出す)/membiayai proyek(事業に資金を出す)。membayar(支払う)はお金そのものを目的語にするので、使い分けが違います。membiayai 1.047.221 mahasiswa=「104万7221人の学生を賄う」。この数字が、設問1の答えです。membiayai の直後に来るので、この動詞を目印にできます。
読み上げは satu juta empat puluh tujuh ribu dua ratus dua puluh satu。juta(百万)が頭に来るので、「juta が聞こえたら100万台」と判断できます。これが総数です2026年に KIP Kuliah を受け取る学生の、全部の数。新しく入る人も、前から受けている人も含みます——それが次の baik … maupun … で説明されています。
第10文の 2.300 は「前年からの増分」で、まったく別の数。どちらも「人数」なので、聞いた順に当てはめると入れ替わります。今日いちばん気をつけるところです。設問1「Berapa jumlah sasaran penerima …?」の答えです。jumlah(合計)と聞かれているので、総数のほう。Sasaran penerimanya berjumlah 1.047.221 mahasiswa. と文で返します。
baik pria maupun wanita(男性も女性も)/baik siang maupun malam(昼も夜も)/baik negeri maupun swasta(国立も私立も/第13文に近い形で出ます)。仲間の相関表現baik … maupun …(〜も〜も)/bukan hanya … melainkan juga …(〜だけでなく〜も)/entah … entah …(〜だか〜だか)/either の意味なら atau。
baik の「よい」という意味は、ここでは消えています。形だけの語なので、訳出しません。「baik が聞こえたら、maupun が来る」と待ち構えるのが正解です。この一句は「1.047.221 は新旧あわせた数だ」と念を押しています。だから総数。本文が自分で説明してくれているわけです。数字の直後の説明句は、必ず拾う——それが箱を間違えないための一手になります。
Dana sebesar itu(主語)+dipatok(受動の動詞)+untuk membiayai 1.047.221 mahasiswa(何のための枠か)+baik penerima lama maupun mahasiswa yang baru diterima(その学生の中身)。
コンマのあとが、直前の数字の説明です。「104万7221人——それは新旧あわせた数だ」。コンマのあとを聞き流すと、この数が総数だと分からなくなります。
設問1Berapa jumlah sasaran penerima KIP Kuliah pada tahun 2026? に、2.300 orang と答えてしまう——これが今日いちばん多い形です。
2.300 は聞き取れています。問題はそこではありません。2.300 は第10文の「前年からの増分」で、この設問が聞いているのは第3文の総数です。拾った数字を、別の設問の箱に入れてしまった——それだけのことです。
見分け方は設問の語にあります。jumlah sasaran penerima(対象者の合計)と聞かれています。jumlah(合計)が入っていたら総数。pertambahan(増加分)なら増分。設問の名詞が、どちらを指しているかを先に決めてから答えます。
答えの形はSasaran penerimanya berjumlah 1.047.221 mahasiswa./あるいは本文の言い方を借りてDana tersebut dipatok untuk membiayai 1.047.221 mahasiswa.。数字だけで止めず、単位(mahasiswa)を添えて文にします。
原文(再掲)Dana sebesar itu dipatok untuk membiayai 1.047.221 mahasiswa, baik penerima lama maupun mahasiswa yang baru diterima.
訳例その額の資金は、既存の受給者と新たに採用される学生をあわせた104万7221人を賄うための枠として定められている。
本文が親切に説明してくれているわけです。数字の直前の動詞と直後の説明句——この2つを拾えば、その数字が何なのかは自動的に決まります。数字を単独で覚えようとしないのが、今日の一手です。
Brian menekankan bahwa kuota nasional bagi mahasiswa baru dipertahankan pada angka minimal 200.000 orang setiap tahun.
語注menekan tombol(ボタンを押す)/tekanan darah(血圧)/menekan angka kemiskinan(貧困率を抑え込む)。-kan で「言葉で押す」になるmenekan(物理的に押す)→ menekankan(言葉で押す=強調する)。-kan がひとつ入るだけで、意味が「物」から「発言」へ移ります。
同じ働きの語:menegaskan(言明する)/menggarisbawahi(下線を引く=強調する)/menyoroti(問題として取り上げる)。第1文が mengumumkan(発表した)、第2文が berkata(述べた)、第4文が menekankan(強調した)。だんだん力がこもっていきます。強調の動詞が出た文には、話し手がいちばん言いたいことが入る——聞き取りの目印です。
kuota penerimaan(受入定員)/memenuhi kuota(定員を満たす)/kuota terbatas(枠が限られている)。nasional = 全国のbangsa(民族)→ nasional は外来語で「国の・全国の」。skala nasional(全国規模)/ujian nasional(全国統一試験)/seleksi nasional(全国選抜/第12文に出ます)。
kuota nasional=全国でこれだけ、と決めた枠。地域ごとの枠ではありません。この 200.000 は「新入生の最低枠」です。総数(1.047.221)でも増分(2.300)でもありません。3つめの「人数」で、設問はこれを聞いていません。数字が3つ並ぶ記事では、聞かれない数字のほうが多い——全部に身構えないことも大事です。
Kementerian Pertahanan(国防省)も同じ語根です。memper- + 語根 + -kanmempertahankan はmemper- と -kan の両方が付いた形です。「その状態のままにしておく」という含み。
同じ作り:memperkenalkan(紹介する)/mempersiapkan(準備する)/memperjuangkan(勝ち取ろうと闘う)/mempertimbangkan(考慮する)。長いですが、どれも報道文の常連です。dipertahankan=「変えずに保たれている」。増やしたのでも減らしたのでもない——据え置きです。第3段落の「増えていない」という話と、静かに響き合っています。
nomor(番号)とは別です。angka は「量としての数」、nomor は「識別のための番号」。minimal = 最低のminimal(最低の・少なくとも)↔maksimal(最大の)。minimal 200.000=少なくとも20万。
言い換え:sekurang-kurangnya(少なくとも/語を重ねて下限を示す)/paling sedikit(最少でも)/setidaknya(少なくとも)。どれも同じ働きで、minimal がいちばん短い。pada angka minimal 200.000 orang=「20万人という最低ラインで」。pada が「その水準で」を導きます。dipertahankan pada …=「〜の水準に保たれる」——数値の据え置きを言うときの定型です。
Brian(主語)+menekankan bahwa+【kuota nasional bagi mahasiswa baru(主語)+dipertahankan(受動)+pada angka minimal 200.000 orang(どの水準に)+setiap tahun(いつ)】。
bahwa の後ろが、もうひとつの文です。その主語が「新入生向けの全国枠」——bagi(〜向けの)が誰のための枠かを示しています。
Brian menekankan bahwa kuota nasional bagi mahasiswa baru dipertahankan pada angka minimal 200.000 orang setiap tahun.
訳例ブリアン氏は、新入生向けの全国枠は毎年少なくとも20万人という水準で維持されると強調した。
設問が聞くのは1つめと3つめだけで、この 200.000 は聞かれません。
それでも意味は大きい数字です。「毎年20万人は新しく入れる」と言っておきながら、第10文では「今年の増加は2300人」と書かれる。矛盾ではありません——新入生が20万人入る一方で、卒業などで同じくらい抜けていくからです。それでも総数がほとんど動かない、というのが記事の指摘です。
図2 この記事に出る ter- 受動6つ。色をつけた2つが設問に関わります。
Adapun sasaran penerima diperluas mulai tahun ini.
語注Adapun mengenai biaya, …(費用については、〜)/Adapun hasilnya, …(結果はというと、〜)。段落の頭に注目するこの記事は段落の頭に接続詞が2つ:Adapun(第2段落)とMeskipun demikian(第3段落)。どちらも「ここから話が変わる」という合図です。
Adapun=話題が変わる(予算の話 → 対象者の話)。Meskipun demikian=向きが変わる(増やした話 → 増えていない話)。
段落の頭の接続詞を拾えると、記事の骨組みが見えます。そして骨組みが見えれば、答えの在処も絞れる——今日いちばん実用的な聞き方です。仲間:sementara itu(一方で)/di sisi lain(他方)/sedangkan(〜であるのに対し/第10文に出ます)/adapun(さて)。adapun がいちばん硬く、書き言葉寄りです。
もとは弓や射撃の「的」。そこから政策の「対象」へ広がりました。tepat sasaran(的を射た=支援が届くべき層に届いている)は社会政策の決まり文句です。「対象者」と「受給者」sasaran penerima=受給の対象。terima(受け取る)→ penerima=受け取る人/penerimaan=受け入れ・受理/diterima=受け入れられる。
この記事では sasaran と penerima が組で3回出ます(第5文・第10文・設問1)。設問1の「jumlah sasaran penerima」も、この組です。設問1と設問4は、どちらも sasaran / penerima を使っています。語が同じなので、設問だけ聞くと区別がつきません。区別は jumlah(合計)か pertambahan(増加分)か——そこにしかありません。
luas(広い)→ memperluas(広げる)→ diperluas(広げられる)→ perluasan(拡大)。この4つを一組で覚えます。誰が広げたかは書いていない受動なので、行為者がありません。広げたのは省(政府)ですが、本文は言っていない。
制度の記事では、行為者を省くのがふつうです。「誰が決めたか」より「どうなったか」のほうが読者の関心事だから。だから ter- や di- が増えます——この記事に受動が9つある理由です。mulai tahun ini=今年から。mulai(始まる・〜から)は時の起点にも使えます。mulai besok(明日から)/mulai sekarang(今から)/mulai pukul 9(9時から)。
Adapun(話題転換)+sasaran penerima(主語)+diperluas(受動の述語)+mulai tahun ini(いつから)。
この記事でいちばん短い文です。短い文は、段落の「見出し」の役目をしていることが多い。「ここから対象者の話をします」という宣言です。
Adapun sasaran penerima diperluas mulai tahun ini.
訳例一方、受給の対象は今年から拡大された。
設問3(誰が優先されるか)と設問2(何がもらえるか)の答えは、どちらもこの段落のなかにあります。Adapun が聞こえた時点で、耳の構えを切り替える——それだけで、あとの2文を取りこぼしません。
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第6文以降の逐語解説と、設問1〜4の答えあわせをまとめて収録しています。あわせて収録しているのは次の内容です。
- 段落と設問の対応表——どの段落にどの設問の答えがあるか。今日の取りこぼしは、ほぼここで防げます
- 1.047.221 と 2.300——どちらも「人数」なのに、別の設問の答えである理由
- 設問2と設問3の切り分け——「何がもらえるか」と「誰が優先か」。同じ段落にあるので混ざります
- desil 1〜4 と rentan miskin——見出しの数字が、本文で言葉に言い直される場所
- 設問1〜4の解答例、よくあるつまずき、設問5の解答例と日本語訳、復習語彙12











