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インドネシア語で作文を書く|「SNSと世論」を140語で書くと崩れる7つの型

インドネシア語 作文 Mengarang SNS 世論 添削

インドネシア語 作文(Mengarang)
「SNSと世論」を140語で書く。
そこで崩れる7つの型

ジャパネシアのオリジナル教材です。bahasa baku(標準的な書き言葉)で100〜150語という、上級者向けの作文課題。テーマは「SNSと世論形成」。実際に書かれた141語の答案例を1文ずつ分解し、なぜ意味は通るのに減点されるのかを突き止めます。この教材の山場は diturun という一語です。自動詞と他動詞の区別がつかないまま受動態を作ると、必ずここで落ちます。背景解説と図解3点つき。

作文課題つき 全7文 添削 添削版131語 図解3点
STEP 1 まず自分で書いてみる

Petunjuk ── 課題の指示

  1. 下の2つのテーマから1つを選び、題名(judul)を自分で決める
  2. 100〜150語で書く
  3. 正しい綴りで、明瞭に書く
  4. bahasa baku(標準的な書き言葉)を使う
  5. 構成:A. Pendahuluan(序論)/B. Isi(本論)/C. Penutup(結論)

目安30分。辞書は使わずに書き切ってから、あとで確認するのがおすすめです。

TEMA A

Media sosial sebagai pembentuk opini publik

Media sosial kini menjadi ruang utama tempat opini publik terbentuk. Bagaimana pandangan Anda mengenai peran media sosial dalam membentuk pendapat masyarakat terhadap suatu isu?

(SNSは今や世論が形成される主要な場となっている。ある問題に対する社会の意見を形づくるうえで、SNSが果たす役割についてどう考えるか)

TEMA B

Penyebaran informasi palsu dan tanggung jawab warganet

Informasi yang belum terverifikasi menyebar dengan sangat cepat di dunia maya. Menurut Anda, sejauh mana warganet bertanggung jawab atas hal tersebut, dan apa yang perlu dilakukan?

(未検証の情報がネット上で非常に速く拡散している。ネット利用者はどこまで責任を負うべきで、何をすべきか)

採点で見られるところ

bahasa baku
口語(nggak / bikin / kayak / banget / lumayan)は不可
接続語
namun / sebaliknya / oleh karena itu / dengan demikian / selain itu の使い分け
派生形
meN-…-kan と meN-…-i、ter-、ke-…-an、per-…-an を各1回以上
受動態 di-
論説文らしく織り込めているか
語数
厳守。150語を超えると減点
背景解説 ①

なぜインドネシアで「SNSと世論」が作文のテーマになるのか。日本の感覚で書くと的が外れます。まず前提を押さえておきましょう。

インドネシアは世界有数のSNS大国です。人口2億8千万のうち、SNS利用者は1億数千万人。国土が1万7千の島に分かれ、地上波テレビと新聞だけでは情報が行き渡らないこの国で、SNSは補助的な媒体ではなく主戦場になりました。政治家も省庁も、公式発表をSNSで先に出します。

そこで生まれたのが buzzer(ブザー)という存在です。報酬(insentif)を受け取って、特定の候補者や政党を支持する投稿を大量に流す個人やアカウント群のこと。選挙のたびに大規模に動員され、対立候補への攻撃(menghujat)も担います。答案例が「insentif を与えられてコンテンツを作る人がいる」と書いているのは、まさにこの現象です。インドネシアの読み手には説明不要の、極めて具体的な指摘になっています。

関連して押さえておきたい語がいくつかあります。hoaks(デマ。英語 hoax のインドネシア語綴り)、ujaran kebencian(ヘイトスピーチ)、warganet(ネット市民。warga+internet の造語で、netizen の公式な訳語)、dunia maya(サイバー空間)、UU ITE(電子情報取引法。名誉毀損の摘発に使われ、表現の自由との緊張が絶えず議論されています)。

作文でこのテーマが出るのは、意見が割れるからです。「SNSは民主化を進めた」とも「SNSは世論を歪めた」とも書ける。どちらの立場でも構いませんが、具体例を1つ挙げられるかどうかで説得力がまったく変わります。答案例が buzzer と insentif を出した時点で、内容点はほぼ確保できています。

SNSで世論が形づくられる構造 ── 作文の骨格になる3段 A. Pendahuluan ── 誰でも発信できるようになった(当初は肯定的に評価された) siapa pun dapat menyampaikan pendapatnya secara terbuka = 考え方が「上から降ろされる」ものではなくなった(bukan lagi diturunkan oleh pihak yang berkuasa) B. Isi ── しかし負の側面も現れた(ここに具体例を1つ置く) hoaks・fitnah デマ・中傷 buzzer + insentif 報酬を受けた組織的な投稿 ruang penuh kekacauan 混乱に満ちた言論空間 C. Penutup ── だから受け手が賢くなるしかない(Oleh karena itu で始める) menyaring informasi dan memastikan kebenarannya / berpikir sejenak sebelum mengunggah sesuatu

図1:SNSにおける世論形成を、作文の3段構成にそのまま対応させた図。※模式図です。B の欄に具体例を1つ置けるかどうかが、内容点の分かれ目になります。

STEP 2 答案例(141語・TEMA A)

ここからは、実際にこの課題に対して書かれた141語の答案例を教材にします。意味はほぼ通ります。論旨も一貫していて、buzzer と insentif という具体例まで入っている。それでも70点に届きません。

なぜ届かないのか。それを1文ずつ突き止めていきます。先に自分の作文を書いてから読み進めてください。答えを見ながらでは、指摘が「知っている話」に見えてしまいます。

Era Semua Orang Dapat Menyampaikan Pendapat di Media Sosial

Setelah kemunculan media sosial, seluruh orang dapat mengakses platform untuk mengekspresikan pendapat masing-masing. Hal itu awalnya dinilai positif karena semua orang yang memiliki akun media sosial dapat berbagi pandangan masing-masing sehingga cara berpikirnya tidak lagi sesuatu yang diturun dari orang yang memiliki kekuasaan.

Namun, di sisi lain, hal negatif seperti hoax, fitnah juga bermunculan. Khususnya kampanye pemilu menjadikan media sosial sebagai ajang untuk pendukung sebuah partai maupun sosok kesukaannya. Bahkan ada juga yang diberikan insentif untuk membuat berbagai konten atau pendapat yang mendukung partai tertentu atau yang menghujat partai tertentu. Karena jumlah orang yang tergoda insentif tersebut lumayan banyak, dunia media sosial saat kampanye seketika menjadi tempat yang mengacaukan.

Selama ini belum ada cara pencegahan efektif, sehingga orang yang menggunakan media sosial harus bijaksana dalam menyaring informasi itu benar atau tidak, sekaligus penting juga berpikir sejenak sebelum posting di media sosial.

ジャパネシア オリジナル教材(答案例・141語/全7文)

先に、よくできている点を挙げておきます

語数141語(規定100〜150内)。3段構成も成立しています。

・論旨が一貫している:初期の楽観 → 選挙キャンペーンでの言説の買収 → 受け手の責任。この流れは崩れていません。

bermunculan(ber- + 重複による複数発生)、tergoda(ter- の達成)、menghujat(罵倒する)は、いずれも中級教材には出てこない語です。

・受動 dinilai を序論で使えているのは、論説文の作法として正しい。

STEP 3 一文ずつ添削する
第 1 文 ── A. Pendahuluan
答案例
Setelah kemunculan media sosial, seluruh orang dapat mengakses platform untuk mengekspresikan pendapat masing-masing.
指摘

seluruh orang が不自然です。seluruh は全体をひとつの塊として捉える語で、数えられる個体には付きにくい。semua orangsiapa pun(誰であれ)にします。

masing-masing が第1文と第2文で連続しています。どちらか一方を削ってください。作文では同じ語の反復が最も目立つ減点要因です。100〜150語という短さでは、2回使えば必ず気づかれます。

直した文
Sejak media sosial bermunculan, siapa pun dapat menyampaikan pendapatnya secara terbuka.
POINT

seluruh / semua / setiap の使い分けは、作文で必ず問われます。

seluruh
全体をひとつの塊として。不可算・集合名詞と相性がいい:seluruh dunia(全世界)、seluruh masyarakat(社会全体)、seluruh tubuh(全身)
semua
個体を全部数え上げる。可算名詞:semua orang(すべての人)、semua siswa(全生徒)
setiap / tiap
1つ1つ、それぞれ:setiap orang(各人)、setiap tahun(毎年)
siapa pun
誰であれ。論説文で最も引き締まる言い方

Setelah kemunculan より Sejak … bermunculan のほうが自然です。Setelah は「〜のあとで」という時点、Sejak は「〜以来」という起点。SNSの登場は一時点ではなく、そこから続いている変化なので Sejak。

第 2 文 ── この教材の最重要ミス
答案例
Hal itu awalnya dinilai positif karena semua orang yang memiliki akun media sosial dapat berbagi pandangan masing-masing sehingga cara berpikirnya tidak lagi sesuatu yang diturun dari orang yang memiliki kekuasaan.
指摘

diturun は成立しません。これが今回の最重要ミスです。turun は自動詞(下がる・降りる)で、目的語を取りません。目的語を取らない動詞は、受動態にできないのです。他動詞化してから受動にします:turun → menurunkan(下ろす・伝える)→ diturunkan(下ろされる・伝えられる)。

tidak lagi sesuatu yang → bukan lagi。名詞述語(sesuatu=あるもの)の否定は bukan です。tidak は動詞・形容詞にしか付きません。

cara berpikirnya の -nya が誰を指すのか不明です。直前に semua orang / orang yang memiliki akun と複数の候補があるため、読み手が迷います。cara berpikir masyarakat と明示してください。

文が長すぎます。karena … sehingga … で1文が42語。100〜150語の作文で42語の文を書くと、それだけで全体の3割を使ってしまいます。2文に割るほうが読みやすく、減点も減ります。

直した文
Pada awalnya hal itu dinilai positif karena cara berpikir masyarakat bukan lagi sesuatu yang diturunkan oleh pihak yang berkuasa.
POINT

di- を付ける前に、その語根が自動詞か他動詞かを必ず確認してください。ここは次の背景解説②でまるごと扱います。この1点だけで、作文の文法点は大きく変わります。

dari と oleh の違いも押さえておきましょう。受動文の動作主は oleh(〜によって)。dari は「〜から」という起点・出所です。diturunkan oleh pihak yang berkuasa(権力を持つ側によって降ろされる)。

orang yang memiliki kekuasaan は7語。これを pihak yang berkuasa(3語)に縮められます。100〜150語という制限のなかでは、同じ意味を短く言えること自体が得点です。ber- 動詞(berkuasa=権力を持つ)を使うと一気に短くなります。

背景解説 ②

diturun が作れない理由 ── 自動詞は受動にできない。ここはインドネシア語の骨格に関わる話なので、仕組みごと押さえてください。作文でも翻訳でも、繰り返し効いてきます。

受動態とは「目的語を主語の位置に持ち上げる」操作です。ということは、目的語がない動詞は受動にできません。目的語を取らない動詞=自動詞です。

turun は自動詞です。Harga turun.(値段が下がる)とは言えますが、Dia turun harga. とは言えません。「彼が値段を下げる」なら menurunkan ——語根 turun に meN-…-kan を付けて他動詞に変える必要があります。そこで初めて目的語を取れるようになり、受動 diturunkan が作れます。

この型の動詞は非常に多く、しかも日常語ばかりです。naik(上がる)→ menaikkan → dinaikkan、jatuh(落ちる)→ menjatuhkan → dijatuhkan、masuk(入る)→ memasukkan → dimasukkan、keluar(出る)→ mengeluarkan → dikeluarkan、hilang(消える)→ menghilangkan → dihilangkan、hidup(生きる)→ menghidupkan → dihidupkan。×dinaik ×dijatuh ×dimasuk はすべて非文です。

逆に、語根がもともと他動詞なら -kan は要りません。baca(読む)→ membaca → dibaca、tulis(書く)→ menulis → ditulis、buat(作る)→ membuat → dibuat、beli(買う)→ membeli → dibeli。ここに -kan を足すと、今度は「誰かのために〜する」という別の意味(受益)になってしまいます:dibacakan(読み聞かせられる)、dibelikan(買ってもらう)。

判定の手順は単純です。di- を書こうとした瞬間に、「この語根、目的語を取れるか?」と自分に聞く。取れなければ -kan か -i で他動詞にしてから di- を付ける。これを習慣にすれば、この種のミスは消えます。

di- を書く前の判定 ── その語根、目的語を取れますか? 語根(kata dasar) turun / naik / baca / tulis … 取れない(自動詞) 取れる(他動詞) turun(下がる・降りる) Harga turun. ○ / Dia turun harga. × baca(読む) Dia membaca buku. ○ 目的語がある まず -kan / -i で他動詞にする menurunkan diturunkan ○ / diturun × dibaca ○ / dibacakan は別の意味 naik → menaikkan → dinaikkan masuk → memasukkan → dimasukkan hilang → menghilangkan → dihilangkan jatuh → menjatuhkan → dijatuhkan

図2:di- 受動を作る前の判定手順。※模式図です。語根が自動詞なら、必ず -kan または -i で他動詞化してから di- を付けます。

ここから先が、この教材のいちばん重い部分です
  • 第3文〜第7文の添削(残り5文、指摘 → 直した文 → POINT で分解)
  • 最も直しにくい第4文:「選挙キャンペーンが〜を…にする」という主語のねじれ。受動にすると一発で直る理由
  • 背景解説③bukan と tidak の境界線、そして接続語の地図(namun / sebaliknya / oleh karena itu / dengan demikian / selain itu をどう使い分けるか)
  • 添削版の全文(131語・論旨はそのまま)
  • 採点の内訳(内容・構成・文法・語彙・表記の5項目)と派生形チェック表
  • 口語 → 書き言葉 の言い換え12組と、次に押さえるべき3点
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